「クラウドファンディングが目標達成しなかったら、イメージダウンにならないかな?」
「達成しなかったら、どんなリスクがあるのだろう?」
「リスクに備えるには何をすればいいのか知りたい!」
クラウドファンディングは単なる資金調達としてだけではなく、企業のマーケティングにも有効な手段です。昨今はBtoBからBtoCへ、販路拡大に役立てている企業が増えています。
とはいえ、クラウドファンディングはマニュアル通りに掲載すれば、必ず成功できるような簡単なものではありません。プロジェクトの目標金額に達成できないケースも多々あります。
未達成に終わった場合に備えて、あらゆるリスクを想定しておくことが必須になるでしょう。
そこでこの記事では、以下についてわかりやすくまとめました。
- クラウドファンディングが達成しなかったら、起こり得る5つのリスク
- 5つのリスクへの備え方
- 失敗しないための6つのポイント
- クラウドファンディング取り組み時に、社内で共有しておきたいこと
クラウドファンディングが達成しなかったら、どのようなリスクがあるのかを理解し、ぜひ魅力的なプロジェクトを立ち上げてください!
クラウドファンディングに挑戦
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クラウドファンディングが達成しなかったら!5つのリスクと事業への影響
クラウドファンディングが達成しなかったら、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、どの程度事業に影響を及ぼすのか、確認しておきましょう。
達成しなかった場合の5つのリスク
クラウドファンディングが目標金額に達成しなかった場合、次のようなリスクが考えられます。
- ブランディング面でマイナスになる可能性がある
- 同業他社からの目線が気になる
- アイデアを盗まれる可能性がある
- 採算がとれない可能性がある
- 社員の士気が下がる可能性がある
クラウドファンディングがもし未達成に終わったら「かっこ悪い」「イメージダウンにつながる」といった、ブランディング面でのマイナス効果が心配されます。
また、プロジェクトが斬新な内容だった場合、アイデアを盗まれる可能性も否定できません。
同業他社からどう思われているか気になったり、社員の士気が下がってしまったりといった心配もあるでしょう。
目標が未達成に終わった場合、これらのリスクがあるのは事実ですが、リカバリは可能です。資金調達だけでなく、「未達成でも知見が得られる」からです。
クラウドファンディングによってどのような知見が得られるのかは、次節でご説明します。
未達成でも事業への影響は少ない
クラウドファンディングが達成できなかったとしても、長い目でみると事業への影響はそれほど大きくないと考えられます。
その理由は、クラウドファンディングによって得られた知見がその後の経営にいかせるからです。
クラウドファンディングによって「得られる知見」の例は以下のとおり。
- 商品やサービスの評判
- 自社に対する評判
- 支援者の年齢層や男女別
- 価格設定
- 宣伝の効果
これらは今後に向けての貴重なデータであり、通常であれば大きなコストをかけないと手に入らないものです。
目標達成率や調達金額がイメージに影響するのは事実ですが、それはプラットフォーム内の評価でしかありません。
事実、目標達成できなかったプロジェクトでも、得られた知見をもとに商品やPR方法を見直して、一般市場で成功している例もあります。
一時的な評価を気にして「成功につながるデータ」が手に入るチャンスを放棄してしまうのは、もったいないと思いませんか?
クラウドファンディングの失敗は、短期的かつプラットフォーム内に限定するとイメージダウンの可能性はありますが、長期的には業績アップを期待できます。
クラウドファンディングが達成しなかったら!支援金や手数料は方式によって異なる
クラウドファンディングが達成しなかったら、支援金や手数料などのお金はどうなるのでしょうか?
クラウドファンディングには2つの方式があり、それぞれの方式によって処理方法が異なります。
クラウドファンディングには2つの方式がある
クラウドファンディングを実施方式によって分類すると「All or Nothing」と「All in」の2種類に分けられます。
- All or Nothing(成功時実施型)
- All in(実施確約型)
All or Nothing方式は、目標金額をクリアした場合のみ支援金を受け取れます。
一方、All in方式は達成率に関わらず支援金を受け取れるものの、リターンを発送する必要があるため「支援金が少額でもプロジェクトを実施できる場合のみ」選択可能なタイプです。
達成しなかった場合!All or NothingとAll inの違い
クラウドファンディングが達成できなかった場合、All or Nothing方式とAll in方式では次のような違いがあります。
支援金 | 手数料 | リターン | |
All or Nothing方式 | 受け取れない | 不要 | 未達成の場合は不要 |
All in方式 | 受け取れる | 必要 | 未達成の場合も必要 |
All or Nothing方式の場合、期間内に達成できなかったらプロジェクトは不成立となり、集まった支援金は全額支援者に返金されます。不成立なので手数料はかからず、リターンの発送も不要です。
一方、All in方式の場合は支援者が1人だけでもリターンの発送が必要なため、すでに商品を開発済みの場合によく用いられる方式です。
クラウドファンディングが達成しなかったら!5つのリスクへの備え方
ここで、クラウドファンディングが達成できなかった場合のリスクをもう一度確認しましょう。
- ブランディング面でマイナスになる可能性がある
- 同業他社からの目線が気になる
- アイデアを盗まれる可能性がある
- 採算がとれない可能性がある
- 社員の士気が下がる可能性がある
これらのリスクを未然に防ぐ方法や、リスクに対する考え方について順に解説していきます。
ブランディング面のリスクへの備え方
クラウドファンディングはブランディング構築に役立つツールですが、未達成に終わった場合は「逆にイメージダウンにならないか?」と心配される方も多いでしょう。
実際のところ、これが最も大きなリスクで、完全に回避するのは難しいのが現実です。
しかし、結果を踏まえて次にいかしていくことは可能なので「単なる失敗」にするのか「成功へのステップ」にするのかは、実行者の考え次第です。
とはいえ、できるだけイメージダウンにならないように、以下の点には気を付けておきましょう。
- プロジェクトページでは、誇大な表現に気を付ける
- 適切な目標金額を設定する
- 適切なリターンを設定する
- 支援者へのフォローを丁寧に行う
上記のように、支援者に誠実に接することを心がけていれば、大きなダメージは防げるでしょう。
その後、クラウドファンディングで得られた知見をいかして事業拡大に成功すれば、過去の小さな失敗など忘れ去られているはずです。
「成功へのストーリー」は一朝一夕で作り上げるのは不可能です。失敗を糧にして試行錯誤していけば、いずれ成功したときに感動的な物語が生まれます。
同業他社からの目線が気になる
クラウドファンディングに挑戦する場合「同業他社からよく思われないのでは…」といった心配も、無視できないリスクでしょう。
とくに古い体質の企業は、新しいことに抵抗を感じる人が一定数いるので、ある程度は仕方のないことかもしれません。
とはいえ、批判される原因になりそうなことはなるべく排除しておきたいもの。クラウドファンディングに対する批判を和らげるために、プロジェクトページでは以下の点を丁寧に説明しましょう。
- プロジェクトに挑戦する動機
- 資金の使い道
- 支援者への価値提供を第一に考える姿勢
クラウドファンディングに批判的な人は「楽してお金もうけをしている」と考えているケースが多いようです。
このような誤解を招かないためにも、上記の3点についてはとくに丁寧な説明を心がけましょう。
アイデアを盗まれるリスクへの備え方
クラウドファンディングはプロジェクト内容に斬新なアイデアを含んでいる場合、アイデアを盗まれるリスクがあります。
このリスクを未然に防ぐには、特許、もしくは意匠登録を取得しておくのが最も確実な方法です。
アイデアの模倣はクラウドファンディングの達成・未達成に関わらないリスクです。「クラウドファンディングの調達資金で特許を取ろう」と考えていたら間に合わないかもしれません。
「アイデアを模倣される」ことは、商品として魅力がある証拠です。そのアイデアに価値があると思われる場合は、あらかじめ特許、もしくは意匠登録を済ませておきましょう。
採算がとれないリスクへの備え方
プロジェクトに予算をかけすぎてしまった場合、目標達成できないと収益悪化する可能性があります。
そのような事態を未然に防ぐためにできることは以下のとおり。
- リターンの価格設定は、達成できなかった場合も想定して検討する
- リターンの生産量は、プロジェクトの状況をみながら調整する
採算がとれなくなる最大の原因は、リターン商品の在庫過多にあるため、生産量はプロジェクトの状況をみながら調整していきましょう。
社員の士気が下がる可能性がある
クラウドファンディングに対して社内の期待が大きい場合、未達成に終わると社員の士気が一気に下がってしまう可能性があります。
このリスクに備えるには、以下の点について社員に周知しておく必要があるでしょう。
- プロジェクトの目的
- クラウドファンディングを複数回繰り返すことによる効果
- 一般販売に踏み切ったときに経験をいかせること
まず、クラウドファンディングを行う目的は「目標金額達成」ではなく、事業拡大である点を社員と共有しておきましょう。
もし未達成に終わっても、プロジェクトに挑戦して得られた知見は、後々有効利用できるからです。
また、クラウドファンディングは、何度も挑戦することによって「支援者が増えていく」「知見がたまる」などの効果があります。一般販売に踏み切ったときにも、その経験は必ずいきてくるでしょう。
クラウドファンディングに挑戦した経験は「その後の経営への投資」とも考えられます。このような点を、クラウドファンディングに取りかかる前に、あらかじめ社員に周知しておきましょう。
クラウドファンディングのデメリットに対する対策については、関連記事「クラウドファンディングのデメリットを最小限にする方法【個人・企業対応】」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
クラウドファンディングを達成するには!失敗しない5つのポイント
ここまで、クラウドファンディングのリスクについて解説してきましたが、その他にもプロジェクトに失敗しないよう気を付けたいポイントがいくつかあります。
- 広報活動に力を入れる
- 目標金額の設定は慎重に行う
- リターンの設定は戦略的に行う
- 支援者の心をつかむプロジェクトページを作成する
- 支援者に対して誠実な対応を心がける
上記5つについて、順に解説していきます。
広報活動に力を入れる
クラウドファンディングは「スタートダッシュが大切」といわれています。それは、初速がいいと「このプロジェクトは注目されている」と良い印象を与えるため、クラウドファンディングサイトを訪れた人の目に留まりやすいからです。
良いスタートを切るには、事前に多くの支援者を集めておくことが重要です。そのためには、次のような広報活動を行うと有利になるでしょう。
- SNSを使った発信(TwitterやInstagramなど)
- プレスリリースの配信
- 事前集客用LPの制作
- リスティング広告やWeb広告を出稿
- 折り込みチラシや新聞広告を出稿
とくにSNSでの発信は、プロジェクト内容が魅力的だと拡散してもらえる可能性があるため、早めに取り組み1人でも多くの支援者を集めておきましょう。
目標金額の設定は慎重に行う
目標金額の設定は調達金額に大きな影響を及ぼすため、慎重に行う必要があります。
目標金額が高すぎると達成率が伸びないので人気がないように見える一方、低すぎると早々に達成するので「自分が応援しなくてもいいかな」と思わせてしまう弊害があるからです。
そこで弊社あおにでは「目標金額をリターン総額の8割に設定しておき、成功率125%超を目指す」ことをおススメしています。
この方法だと、必要な資金を集めやすくなり、かつ、成功率も上がりやすいからです。
目標金額の設定方法については、関連記事「クラウドファンディングの成功率を高める!失敗例から施策まで解説!」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
リターンの設定は戦略的に行う
クラウドファンディングはリターンの内容や価格で、達成率が大きく変わってきます。
「魅力的な商品」であるリターンが大前提ですが、価格帯や価格のバリエーションも重要なポイントになるため、安易に設定しないようにしましょう。
リターンの相場観としては1万円前後のものが多く、食品の場合は5千円から7千円くらいと少し安い傾向があります。
リターン金額については、関連記事「クラウドファンディングのリターン(お返し)の相場は?ポイントを解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
支援者の心をつかむプロジェクトページを作成する
どんなにプロジェクト内容が魅力的でも、まずはプロジェクトページにたどり着いてもらわないことには、内容を伝えられません。
ページを見に来てもらえたとしても、最後まで読んでもらえる確率は20%程度です(弊社調べ)。
作成したプロジェクトページにアクセスして最後まで読んでもらうには、支援者の心をつかむプロジェクトページを作成して、以下の3ステップを踏んでもらう必要があります。
- 魅力的なページタイトルとTOPバナー画像を作成してクリックしてもらう。
- ページ冒頭で読者をひきつける
- 感動的なストーリーで最後まで読ませる
本文の制作はもちろん、画像制作や必要に応じて動画編集といった作業もあります。これらを工夫して、最後まで読んでもらえるプロジェクトページを作成しましょう。
支援者とのコミュニケーションを大切にする
クラウドファンディングを達成するためには、支援者とのコミュニケーションも重要です。プロジェクトの進行状況や感謝の気持ちなどを、こまめに伝えましょう。
実行者の熱意が伝わると、支援者はプロジェクトの達成をともに願ってくれるようになるものです。熱心に応援してもらえるようになると、SNSでの拡散や追加支援も期待できます。
支援者との交流を大切にしてファンになってもらえれば、もしまたプロジェクトを立ち上げることになったとき、再び支援してもらえるかもしれません。
1度限りのお付き合いで終わりにしないよう、支援者とのつながりを大切にしましょう。
クラウドファンディング導入前に!社内で共有しておきたいこと
企業がクラウドファンディングに挑戦する場合、社員が一致団結してプロジェクトに取り組むためにも、「なぜ今、取り組む必要があるのか」を共有しておきましょう。
挑戦しないリスク
クラウドファンディングに挑戦することが決まったら、社員には「挑戦しないリスク」についても説明しておきましょう。
挑戦しないとリスクはありませんが、リターンも得られません。「プロジェクトが失敗するかもしれない」というリスクをとらないと、売り上げアップや販路拡大につながる知見が得られないのです。
実はリスクとリターンは対義語ではありません。リターンの対義語は「ロス」であり、リターンとロスの「幅」がリスクになります。
「リスク=損失」だと勘違いしていると、ひたすらリスク回避に走りたくなりますが、リターンを得るには必然的にリスクがついてくるものなのです。
クラウドファンディングのリターンとしては、以下が考えられます。
- マーケティングに役立つ
- BtoCに向けたWeb算入への足掛かりとして取り組みやすい
- 販路拡大につながる
上記のようなリターンを得るには、何かしらのリスクをとる必要があります。
クラウドファンディングは、いきなり一般販売に取り組むより小さいリスクで、大きいリターンを得られるのが特長です。
この点を社内で共有しておけば、失敗に対する不安が軽減され、前向きに取り組めるでしょう。
未達成は成功への第一歩
クラウドファンディングが達成しなかったら、それは「最悪の結果」なのでしょうか。この点についても、社内で共有しておきたい課題です。
プロジェクト達成・未達成と、事業継続・中止をかけ合わせた、あおにの考えを表にしてみました。
プロジェクト達成 | プロジェクト未達成 | |
事業継続 | Best | Better |
事業中止 | Worst | Good |
【表の説明】
- Best:プロジェクトが達成した結果を踏まえて事業を伸ばすことができ、最良の結果に。
- Better:プロジェクトで得た情報を事業に取り入れ、よりよい方向に進んでいる。
- Good:未達成でユーザーの反応から事業を中止し、再度企画を練り直して次につなげる。または中止することにより、資金や時間を別の事業に当てる
- Worst:達成した結果を事業にいかさなかったため、事業中止となった。クラウドファンディングに挑戦することが目的になっていた可能性が高い。
上記の表のとおり、プロジェクトが未達成だったBetter(※2)とGood(※3)は、最悪の結果ではありません。この2つは得られた情報をもとに改善しているからです。
最悪なのは達成しているにもかかわらず、結果を事業にいかせなかったWorst(※4)のパターンです。つまり、失敗かどうかを決定づけるのは「得た知見を事業にいかしているか」にかかってきます。
プロジェクトが未達成に終わるとイメージダウンを心配しがちですが、失敗の先に成功がある点を、社内で共有しておきましょう。
クラウドファンディングが達成しなかったらどうなる?まとめ
クラウドファンディングが達成しなかったら……と不安になるのは、目的のブレが大きな原因です。
プロジェクトの目標金額達成が目的なのか、販路拡大など経営改善が目的なのか、この点を明確にしておきましょう。
未達成によるイメージダウンを心配するよりも、クラウドファンディングによって得た知見を事業にいかしていく方が、企業の成長につながります。
社内でクラウドファンディングの目的やリスクに対する考え方を共有して、魅力的なプロジェクトを立ち上げ、事業拡大に役立ててください!
『合同会社あおに』では、豊富なクラウドファンディング支援実績を活かした「30分無料オンラインミーティング」を実施しています。またプロジェクトを実行したい企業様のために、伴走支援もおこなっております。
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