クラウドファンディングのリターン(お返し)の相場は?ポイントを解説

    「クラウドファンディングのリターン費用の決め方がかわからない」
    「同じようなプロジェクトのリターン金額はどのように決めているのか知りたい」

    クラウドファンディングを実施するとなったとき、誰もが悩むリターンの金額。制作の相談はできても、お金の悩みを相談することはなかなかできません。

    特にリターンはプロジェクトを実施する上で重要な項目です。支援者にとってはプロジェクトを支援するお返しであり、お得なものほど支援したくなります。反対に実行者であれば事業資金にもなるため、1円でも多くの集めたいのが本音ではないでしょうか。

    実はリターンの決め方には基準となるものがあります。それがリターンの相場です。

    なぜならリターンの相場を知ることにより、支援者が支援しやすいリターンの傾向がわかるからです。
    特に購入型クラウドファンディングでは、プロジェクトのジャンルによってリターンの相場は大きく異なります。

    筆者もプロジェクト制作初期のころはリターン金額をどのようにすればいいかわかりませんでした。またクラウドファンディングは常に進化しており、リターンの平均価格も年々上がっています。

    プロジェクト数は5年前に比べると約5倍以上となっています

    常に最前線で制作しているからこそリアルタイムな情報が入ってくるため、今ではその時々にあわせてリターンの内容を変えています。また筆者だけの情報ではなく、クラウドファンディングプラットフォームのキュレーターともコンタクトをとり、実際に掲載されている(達成されたプロジェクト)定量データを参考にしています。

    この記事では、クラウドファンディングのリターン金額を決める基準となる相場についてお話していきます。

    そもそもリターンとは購入型クラウドファンディングで主に使用されており、クラウドファンディングの種類によってはお返しも異なります。そういった知識も合わせて、クラウドファンディングの相場を紐解いていきます。せひご活用ください。

    堀川 雄一

    合同会社あおに 代表 堀川 雄一

    日本大学芸術学部写真学科卒。博報堂プロダクツREMBRANDT退社後、MORE VISION tokyo腰塚氏に師事し、2009年よりフォトグラファー・レタッチャーとして活動。26歳で30年以上続くオーストリアの雑誌に年間ベスト200の広告フォトグラファーとして選出される。現在は、活動の場を東京から生まれ故郷の奈良に移し、経営とPR戦略を両軸にクリエイティブディレクション及びクリエイティブコンサルティングとして活動。また中小企業の広告写真や映像制作、クラウドファンディングの総合ディレクションを行う。筆者はMakuakeにおいて約80プロジェクト、支援金総額1.2億円、総支援者数1.5万人超えの実績があります。

    目次

    クラウドファンディングのリターンとは

    「リターン」とは、クラウドファンディングの支援者(出資者)に商品やサービスをお返しすることです。

    支援者にとってリターンは必ず気になる部分であり、リターンの内容・費用は誰もが確認する部分となります。そのため魅力的なリターンを作ることは、実行者が目標金額を達成する重要なポイントでもあります。

    例えば、新商品のプロジェクトであれば、商品自身がリターンとなり、新サービスであれば、サービスの早期利用や限定会員といった権利をリターンとして設定します。

    しかし、上記のリターンは購入型クラウドファンディングの事例であり、クラウドファンディングは「購入型」「寄付型」「投資型」の大きく3つのサイトに分けられます。またクラウドファンディングの種類が違えばリターンの相場・内容も変わってきます。

    クラウドファンディングの種類によるリターンの違い

    本記事では購入型クラウドファンディングのリターンについて解説しますが、その前にクラウドファンディングの種類によるリターンの違いをおさらいしておきます。

    購入型

    購入型はすでに解説したとおり、新しい商品やサービスなどを開発する資金を募り、その商品やサービスの権利などをリターンとします。

    代表的なプラットフォームは、CAMPFIRE、Makuakeになります。クラウドファンディングを初めて知った人の多くはこの2つではないでしょうか。テレビCMも制作され、クラウドファンディングが身近になったのも、購入型が広まったことによります。

    寄付型

    寄付型は、プロジェクトに賛同し見返りを求めずに支援するため、基本的にはリターンがありません。その代わりに「お礼のメール」や「活動報告」といったプロジェクトの報告をされています。また寄付型は、プロジェクトによって税制優遇の対象になります。

    代表的なプラットフォームは、READY FORになります。NPO・非営利団体の資金調達であればこちらをおすすめします。

    投資型

    投資型は、金銭のリターンが発生するクラウドファンディングです。投資型はさらに細かく分類され、貸付、事業投資、株式投資などにわかれます。一般的な株式投資との違いは割愛しますが、企業に投資するという点では共通しています。

    代表的なプラットフォームは、投資型の種類によって異なります。「投資型のクラウドファンディングは初心者にとって難しい」と苦手意識を持たれるかもしれません。

    その場合、購入型でも紹介したCAMPFIREグループのCAMPFIRE OwnersやCAMPFIRE Angelsを参考にされるとよいです。CAMPFIREグループは購入型・支援型・投資型と様々なクラウドファンディングプラットフォームを運営しているため、色々試してみたい方で特におすすめのクラウドファンディングサイトです。

    クラウドファンディングには大きく3種類の違いがあることを理解した上で、一般的にリターンと呼ばれているものは、購入型クラウドファンディングのお返しと思っていただいても問題ありません。

    では、購入型クラウドファンディングのリターンの費用はどのように決められているのでしょうか。また相場はいくらなのか。目標金額にも影響するリターンの費用について解説していきましょう。

    クラウドファンディングのリターンの相場

    クラウドファンディング全体のリターン相場は1万円前後。フードであれば少し下がって5,000円から7,000円くらい。

    この情報は、クラウドファンディングプロジェクトを担当するキュレーターに教えていただいた情報になります。

    様々な購入型クラウドファンディングがありますが、どのプラットフォームも同じ傾向にあり、1万円前後のリターンの人気が高くなっています。

    しかし、これらがすべてに当てはまるとはかぎりません。商品単価が低いければ単品で1万円のリターン設計をすることが難しく、また高額価格帯のものであればリターンの最低価格は10万円からといったものもあるからです。

    また、目標金額を達成し成功率を高くするには、少し高めのリターンをいれておくことも戦略の1つです。そこであおにが制作したプロジェクトの中から、低価格商品帯、高価格商品帯の事例を合わせてお話します。

    低価格商品帯の場合

    京北中江町の恵み 合鴨肉使用“京の鴨肉コンフィ”「おいしい」から環境にいいこと
    こちらのプロジェクトは、「南西フランスの伝統的保存食「コンフィ」に着想を得た、日本酒にもご飯にも合う“京の鴨肉コンフィ”缶詰です。

    缶詰1つの価格が400円程度(制作当時)のため、缶詰1つをレターパックで発送した場合(370円)約800円ほどのリターンとなります。目標金額は20万円と設定しているため、このリターンだけで設定した場合、約250人のサポーターが必要になります。

    目標金額(円)リターン価格(円)達成サポーター(人)支援予想金額(円)
    200,000810(商品+消費税+送料)247200,070

    筆者の制作経験(約80プロジェクト)では、1プロジェクトあたりの平均支援者数は200人前後となります。しかし一般的なプロジェクト(または初めて実施するプロジェクト)であれば100人前後が肌感覚な数字です。そうなると250人のサポーターを集めるのに150人足りません。

    プロジェクトが時代にマッチしたり、思わぬバズりかたで支援が多くなることもあります。しかしこれは稀なことであるため今回の数値には反映していません。

    そこでサポーター数を参考に、缶詰を複数個組み合わせてリターンの単価を上げています。このプロジェクトで一番支援されたリターンは、缶詰6種セット(送料込み)2,460円で、限定80個すべて支援されたことから目標金額20万の98%をこのリターンのみで達成しています。

    まとめると以下の表になります。

    目標金額(円)リターン価格(円)達成サポーター(人)支援予想金額(円)
    200,000810
    (商品+消費税+送料)
    247200070
    200,0002,460
    (商品+消費税+送料)
    80196,800

    このように商品単価がそもそも低い場合は、2,000円から3,000円で価格を設定することが多いです。

    なぜなら集まった金額は、リターン単価 x 支援者数で決まるため、支援者数は100人前後で想定した場合、商品単価が低いと集まる金額も低くなってしまうからです。

    そうなると当初予定していた目標金額にも届かない恐れがあるため、目標金額とのバランスを考えてリターン単価を上げる必要があります。

    高価格商品帯の場合

    ひと目で魅せるこの貫禄。革の黒ダイヤこと「姫路黒桟革」製ボディバッグで風格を纏う
    こちらのプロジェクトは、「なめし」の技術と「漆塗り」の技術をかけ合わせて生まれる「革の黒ダイヤ」といわれる「姫路黒桟革」を使用したボディバッグです。

    商品の割引は一切なく、リターンの価格は85,000円のみとなります。高価格帯商品の場合は、安易にリターンを割引してしまうとブランド価値を下げてしまう恐れがあるからです。

    しかし、高価格帯のリターンは支援がされにくい傾向があります。また高価格帯のプロジェクトは、低価格帯より支援者集めに苦戦することが多いです。

    これらを打破するには、ブランド力、発信力、ファンといったコミュニケーション戦略が必要になります。その他にもプロジェクト公開前からPRをするなど、広告宣伝にも力をいれると達成度が上がります。

    高価格帯ではリターン価格がブランドイメージにも影響するため、商品の考え方やPR方法などによって相場も異なると考えています。過去の経験から30,000円を超えてくると高価格商品になるため、自社のブランディングも考えて設定してみてください。

    原価から考える場合

    低価格帯・高価格帯の事例をあげましたが、忘れては行けないのが原価です。原価が高い、または資金調達が重要な場合は、まず初めに原価を考慮したリターン価格を仮設定してください。

    プラットフォームによって異なりますが、リターンの割引は最大50%(条件あり)まで可能です。リターンには商品代金、消費税、送料も含まれており、プロジェクト終了後にはプラットフォームに手数料を支払わなければなりません。

    支援されやすい金額に設定する気持ちもわかりますが、プロジェクト終了後、原価や手数料を引いて手元にお金が残らないこともあるので注意してください。

    クラウドファンディングのリターン相場まとめ

    購入型クラウドファンディングのリターン相場はデータ上1万円前後とありますが、厳密には商品単価や原価によって変わります。しかし、相場を知ることで無理のない目標金額設定を同時に考えられます。

    相場だけでリターン金額を決めることはできませんが、1つの基準になることは確かです。ただし、正確な相場を知るには過去のプロジェクトを参考にしたり、キュレーターからの情報しかありません。

    正しい相場を知ることで無理のない目標金額設定をし、クラウドファンディングの成功率も高めていきましょう。

    またリターンの相場がわかると、どのようなリターン設計をすればいいかがわかるようになります。

    リターン設計については別の記事でまとめる予定です。

    また、『AONI(あおに)』ではクラウドファンディングを実行したい方のためのサポートもおこなっております。サービス内容やお見積もりなど、お問い合わせメールフォームからお気軽にご相談ください。

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