「クラウドファンディングはビジネス活用に効果的なのか?」
「ビジネス活用して成功している事例を知りたい」
「自社に合ったクラウドファンディングの活用方法を知りたい!」
有名人の取り組みやアニメ映画の大ヒットなどで、一般的に知られるようになったクラウドファンディング。近年は、企業や事業の資金調達手段として注目を集めています。
とはいえ「我が社の経営に向いているのか」「どのように進めればいいのか」など、わかりにくい点が多いので、最初の一歩を踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、以下についてわかりやすくまとめました。
- クラウドファンディングはビジネスに有効なのか
- クラウドファンディングがビジネスに有効である3つの理由
- 成功事例3例
- クラウドファンディングをビジネス活用するやり方
- 成功させる秘訣と注意すべきポイント
ぜひ、本記事を参考にクラウドファンディングをビジネスに取り入れて、事業の拡大にお役立てください!
クラウドファンディングに挑戦
記事に迷ったら上から順にお読みください
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クラウドファンディングはビジネスに有効
クラウドファンディングのビジネス利用は、その後の経営に役立つ貴重な情報が手に入るため、非常に有効な手段です。
ここでは「クラウドファンディングがビジネス利用にどのように有効なのか」や「初めてのWeb参入に適している理由」について解説していきます。
クラウドファンディングは販路拡大に効果的
クラウドファンディングがビジネス利用に適しているのは、目的が「資金調達」だけではなく「マーケティング」にも活用できるためです。
単に資金調達をするなら、銀行で融資を受けたほうが手軽で確実でしょう。
「審査や返済の必要がないクラウドファンディングのほうが、銀行融資より簡単なのでは?」と考える方がいるかもしれません。しかし、クラウドファンディングは想像以上に時間と手間を要します。
そのうえ、プロジェクトが成功する可能性は決して高くないので、資金調達のみを目的にすると失敗に終わる可能性もあります。
それでも、あえてクラウドファンディングを行う企業が多いのは、クラウドファンディングがマーケティングとして非常に効果的な手段だから。
具体的には、次のような点において経営に役立ちます。
- プロモーション
- ブランディング
- テストマーケティング
最近はクラウドファンディングを上記のような場面で有効活用し、BtoBからBtoCへ販路を拡大している企業が増えています。
初めてのWeb参入に適している
中小企業が初めてWebに算入する際は、いきなりECサイトを立ち上げるより、まずはクラウドファンディングに挑戦されることをオススメします。
クラウドファンディングは、失敗したときのリスクが少ない割に、経営に役立つ情報が豊富に得られるからです。例えば、支援者の属性や「どのような商品(サービス)にどのくらいのニーズがあるか」など。
プロジェクト終了後は、支援者リストを見込み客リストとしても活用できます。
これらの情報があれば、売り上げ拡大に向けた戦略が立てられるので、その後の事業展開はかなり有利になるでしょう。クラウドファンディングは、ECサイトを立ち上げる前段階として、テスト的に運用することが可能なのです。
参入ハードルが低いクラウドファンディングは、Web算入を検討している企業に最適なツールだといえるでしょう。
クラウドファンディングを販路拡大に利用するなら購入型
クラウドファンディングの利用を検討しているのなら、まずはそのしくみを理解しておきましょう。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは「インターネットを使って不特定多数の人から資金を調達するしくみ」のことをいいます。
インターネットを使うので拡散性が高く、多くの人々にプロジェクトを見てもらえる点が大きな魅力です。
クラウドファンディングは大きく分けると、以下3つの形態に分類できます。
- 購入型:支援金のリターンとしてモノやサービスを受け取る
- 寄付型:お金を寄付する
- 金融型:融資型・株式投資型・不動産投資型・ファンド型に分けられる
最も一般的なのは購入型で、寄付型は被災地支援などでよく利用されています。金融型には4種類ありますが、どれも投資の意味合いが強く、信用が大前提になるので資金調達の難易度は高くなります。
販路拡大には購入型がオススメ
クラウドファンディングをビジネスとして利用する場合は、マーケティングとして利用しやすい購入型が適しています。
購入型を利用するとさまざまなデータが手に入るため、得られた情報をもとに戦略を練れば、販路の拡大など売り上げアップにつながるからです。
実際、企業のクラウドファンディングは、たいていが購入型です。中小企業が初めてクラウドファンディングに取り組む場合は、購入型を選択すれば間違いないでしょう。
クラウドファンディングがビジネスに有効である3つの理由
クラウドファンディングをビジネスとして利用すると、マーケティングの観点で得られるものが大きいと前述しました。
クラウドファンディングは具体的に、次の3つの点において有効な手段です。
- プロモーション
- ブランディング
- テストマーケティング
上記3つについて、順に解説していきます。
プロモーション活動で販売促進
クラウドファンディングは、プロモーションとして活用するのに最適なツールです。プロモーションとは「宣伝活動」や「広報活動」といった、販売の促進活動を意味します。
商品やサービスを多くの人に知ってもらうには、プロモーション戦略が不可欠。知名度の高いクラウドファンディングサイトを利用すれば、多くの人々にアプローチできるため、想定外の需要を発見できるメリットがあります。
魅力的なプロジェクトならSNSで拡散してもらえたり、メディアに取り上げられたりする可能性もあるでしょう。
通常、広告を出すと販売促進費が必要になり、効果的な手段ほど費用が膨らんでしまいます。その点、クラウドファンディングなら調達金額の1~2割程度の手数料で賄えるため、新たに費用を捻出する必要がありません。
今までBtoB中心だった中小企業は、一般消費者に対するプロモーション活動のノウハウを持っていないケースが多いため、クラウドファンディングは一助となるはずです。
ブランディング戦略でイメージ向上
クラウドファンディングは、企業イメージや商品イメージを高めるブランディングにも有効です。
プロジェクトページでは生産者の想いを「心を揺さぶるストーリー」として紹介するため、想いに共感した支援者は、ファンになりやすいからです。
また、クラウドファンディングが成功すれば、支持された結果をブランディングに利用することも可能。これはECサイトでは得にくい、クラウドファンディングならではの利点です。
クラウドファンディングなら、莫大な広告宣伝費を投じることなく、自社や商品のファンを育てていくことが可能なのです。
テストマーケティングで戦略を練る
クラウドファンディングはテストマーケティングとしても有効な手段です。
通常、新商品はテストマーケティングを繰り返して一般販売に備えますが、クラウドファンディングならこの工程を低コストで行えます。
また、クラウドファンディングの場合は支援者が対価を支払っているため、一般的な調査方法より購入者に近い反応が得られる利点もあります。
ユーザーの反応をみながら商品改良を重ねて生産量を調整していけば、プロジェクト終了後にECサイトを立ち上げたとしてもスムーズに運営していけるでしょう。
クラウドファンディングをビジネス活用した3つの成功事例
一般的にクラウドファンディングは「目標金額の達成=成功」だと考えられていますが、ビジネスにおいては少々話が違ってきます。
企業がクラウドファンディングを行うのは、資金調達のためだけではなく「売り上げ拡大」が最終目標だからです。
ビジネスの場合はプロジェクト後の事業展開に主眼をおいて、クラウドファンディングをマーケティング目的で利用するのが正解。
こちらでは、弊社「あおに」が携わったプロジェクトのうち、マーケティングの観点で選んだ事例を3例ご紹介します。
成功事例1:KABAGボックス
最初にご紹介するのは、東大阪にあるバッグ製造会社、株式会社エルグラン様のプロジェクトです。ミセス向けのバッグを量販店などに展開していた同社は、2015年に初のBtoC商品として「KABAG」シリーズを商品化。
KABAGはクラウドファンディングによって、プロモーションのひとつである「PR」に成功し、メディアでもたびたび取り上げられるようになりました。
その後は順調に成功を重ね、6回目のクラウドファンディングでは初めての完売を達成。そのあともクラウドファンディングの挑戦は続き、これらの経験はECサイト立ち上げへの足掛かりとなりました。
エルグラン様は当初から支援者とのコミュニケーションを大切にし、コツコツと信頼関係を構築されています。
商品自体の魅力は大前提ですが、支援者と良好な関係を築きながら、クラウドファンディングを繰り返し行ってきたきたことにより、プロモーションに成功したよい事例だといえるでしょう。
https://www.makuake.com/project/kabag_box/
成功事例2:常若御朱印帳
次にご紹介するのは、三重県で建築業を営まれている有限会社世古林業様のプロジェクトです。
世古林業様は、伊勢御山杉の用材として使う際に出る端材を有効活用し、かぐわしい木の香りや風合いを楽しめる御朱印帳を商品化。クラウドファンディングではブランディングに成功し、多くのファンから支持を集めました。
ブランディングは、ごく簡単に説明すると「商品の識別」を意味するマーケティング用語です。世古林業様は、神仏とのご縁を記録する御朱印帳と御山杉の希少価値を掛け合わせ、他社商品との差別化を図りました。
世古林業様の御朱印帳は、スライスした天然木の材料を使用しているため、同じ見た目の商品は二つとして存在しません。一般的な御朱印帳とは違い、唯一無二の造形美を味わえるのです。
世古林業様はクラウドファンディングによって、この商品の魅力をあますところなく伝え、ブランディングに成功されました。
https://www.makuake.com/project/tokowaka2/
成功事例3:best pot
最後にご紹介するのは、「空気以外なんでも削る」がモットーの株式会社中村製作所様。
四日市市の萬古焼(ばんこやき)と組んで開発した、蓄熱調理ができる土鍋「ベストポット」は「10分の加熱で、あとは鍋が調理してくれる」という優れものです。
中村製作所様がクラウドファンディングを利用されたのは、マーケティングが目的でした。
マーケティングとはそもそも、ユーザーに価値提供する方法を模索すること。商品を売ることにこだわってしまうと、方向を誤る原因になります。
「価値」をとことん追求するには「ユーザーの評価」が必須。それを効率よく集めるにはテストマーケティングが欠かせません。中村製作所様は、テストマーケティングとしてクラウドファンディングを利用されました。
「ベストポット」の価値とは「素材のうまみを最大限に引き出す料理」を「最低限の手間で実現」すること。ユーザーの評価をもとに価値を高め、今ではテレビで取り上げられるほど知名度を上げることに成功されました。
https://www.makuake.com/project/best_pot/
クラウドファンディングをビジネス活用するには?やり方を解説
クラウドファンディングの手順は、プライベート利用もビジネス利用も、同じだと考えて差し支えありません。クラウドファンディングサイトによって手順の違いは多少ありますが、基本的な流れは同じです。
クラウドファンディングの手順は、以下の11ステップです。
- プロジェクトの目標を考える
- クラウドファンディングの種類を選ぶ
- クラウドファンディングサイトを選んで登録する
- キュレーターに相談する
- プロジェクトページを作成する
- プロジェクトの審査を受ける
- プロジェクトの広報活動をする
- プロジェクトの公開
- プロジェクトの活動報告をする
- プロジェクト支援者へお礼をする
- プロジェクト終了後に商品やサービスのリターンを発送する
これを見て「大変そう…」と思った方も多いかもしれません。しかし、クラウドファンディングによって得られるのは資金だけではなく「今後の売り上げ拡大につながる情報」です。
クラウドファンディングによって得られる副産物の大きさを思えば、少々の手間も受け入れられるのではないでしょうか。
クラウドファンディングの進め方については、関連記事「クラウドファンディングのやり方・始め方とは?成功へ導く11の方法で解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください!
ビジネスでクラウドファンディングを成功させる5つの秘訣
クラウドファンディングを成功させる秘訣についてご説明する前に、あらためて「クラウドファンディングの成功とは」について確認しておきましょう。
くどいようですが、ビジネス目的でのクラウドファンディングは、プロジェクト終了後の業績アップが最終目標です。単なる「資金集め」に目標がすり替わってしまわないように注意しましょう。
ビジネスでクラウドファンディングを成功させる秘訣は、以下の5つです。
- プロジェクトの目的を明確にする
- 支援者に対する価値提供を考え抜く
- 事前準備を入念に行う
- 魅力的なプロジェクトページを作る
- 支援者へのフォローをこまめに行う
自社の長期的な安定成長のために、上記の5つはどれも欠かせません。1つ1つの工程を丁寧に行いましょう。
とくに1つ目の「プロジェクトの目的を明確にする」は、見落としがちですが重要なポイントです。
クラウドファンディングの結果を、経営戦略にどのようにいかしていくかは、プロジェクトの初期段階で決めておかないと、目的がぶれてしまうからです。
ビジネスでのクラウドファンディングは「プロジェクト終了後が本当のスタート」といっても過言ではありません。
経営に役立つ結果をより多く残せるように、長期的な視点をもってクラウドファンディングに取り組みましょう。
クラウドファンディングの成功率を高める施策については、関連記事「クラウドファンディングの成功率を高める!失敗例から施策まで解説!」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください!
クラウドファンディングをビジネス利用する際に注意すべき3つのポイント
クラウドファンディングはECモールに出品するのとは異なり、気を付けたいポイントがいくつかあります。失敗を防ぐためにも、以下3点についてはとくに注意しましょう。
- やることが多く時間がかかる
- プロジェクトページは半永久的に残る
- リターンに無理があると炎上する可能性がある
順に解説していきます。
やることが多く時間がかかる
クラウドファンディングに初めて取り組む方は、想像以上にやることが多く驚かれることでしょう。とくにプロジェクトの広報活動は、支援者数に直接結びつくので手を抜けません。
クラウドファンディングはよく「スタートダッシュが大切」といわれます。支援者を集めやすいのは最初の数日で、その時点での達成率が目標金額に到達するかどうかに大きく影響するからです。
そのため、SNSでの発信をこまめに行い、プロジェクト開始までに1人でも多くの支援者を集めておく必要があるのです。
これらは一例であり、クラウドファンディングはプロジェクトページの制作以外にもやることが多いので、計画的に進めていかないと、思うような結果を得られなくなるので注意しましょう。
プロジェクトページは半永久的に残る
クラウドファンディングサイトに掲載されたプロジェクトページは、もしプロジェクトが不成立に終わったとしても、Web上に半永久的に残ります。
プロジェクトページのメッセージ欄も残るため、もし都合の悪いコメントがあったとしても、消すことはできません。
後々の事業に悪影響を及ぼさないためにも、プロジェクトページの制作や支援者への対応には細心の注意を払いましょう。
リターンに無理があると炎上する可能性がある
クラウドファンディングが大盛況に終わり、予想を超える支援が得られた場合は、リターンの発送が遅れてしまうケースもあるかもしれません。
このような場合は、支援者に対して誠意をもって状況報告を行うようにしましょう。対応せずに放置していると、単に支援者の信頼を失うだけでなく、SNSで炎上してしまう可能性があるからです。
そうなるとブランディングどころか、世間にマイナスのイメージをも与えてしまいかねません。
計画段階で周到な準備が必要ですが、万が一予定どおりの発送が厳しくなった場合は、こまめに進捗報告を行いつつ返金にも柔軟に対応しましょう。
クラウドファンディングのトラブル回避については、関連記事「クラウドファンディングでトラブルを回避するための基礎知識と具体事例」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
クラウドファンディングをビジネスで活用のまとめ
ビジネスを目的としたクラウドファンディングは、マーケティングとして非常に有効な手段だといえます。
具体的なマーケティングの内容は次のとおり。
- プロモーション
- ブランディング
- テストマーケティング
クラウドファンディングで上記のようなマーケティング効果を実感するには、明確な目的を持つことが重要です。
本記事で取り上げた成功事例を参考に、クラウドファンディングを利用して事業拡大をめざしましょう。
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