「クラウドファンディングの種類による見返りはなぜ違うの?」
「見返りがあったり、なかったり。仕組みがいまいち理解できない」
「そもそもリターンがお金だったり商品だったりするときって何……?」
従来よりも手軽にできる資金調達として、近年、注目を浴びているクラウドファンディングは、一般の消費者側が支援者となり、起案者である個人や企業・団体を直接支援できる仕組みです。
新しい事業やサービス、夢を応援できる仕組みになるため、消費者側も自由に支援先を選ぶことができます。また、クラウドファンディングは支援によって見返り(リターン)を得られるため、起案者・支援者とともにWin-Winの関係を築くことができます。
ただし、ひとくちにクラウドファンディングといっても多くの種類が存在しており、得られる見返り(リターン)も多種多様です。そのため、実際に支援者として支援する際には、それぞれの仕組みを理解しておかなければなりません。
そこで本記事では、クラウドファンディングの仕組みや種類を解説するとともに、得られる見返りや支援先としておすすめできる代表的なプラットフォームを紹介します。初めてクラウドファンディングを利用する方は、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドファンディングに挑戦
記事に迷ったら上から順にお読みください
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- クラウドファンディングのリターン(お返し)の相場は?ポイントを解説
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- クラウドファンディングが達成しなかったら?【プロが教える】5つのリスクへの備え方
- クラウドファンディングでトラブルを回避するための基礎知識と具体事例
- クラウドファンディングで確定申告は必要?
クラウドファンディングの基礎知識【投資型と非投資型について】
起案者と支援者で構成されるクラウドファンディングには、大きく分けて「投資型」と「非投資型」の2通りが存在します。なお、それぞれの特徴は、支援した場合のリターン内容によって分類が決まります。
- 投資型 :見返り(リターン)が「お金」
- 非投資型:見返り(リターン)が「お金以外」
このように投資型の場合は、支援した場合の見返りで「お金」が確約されているクラウドファインディングです。一方、非投資型のクラウドファンディングは、見返りが商品やサービスなど「お金以外」になるので、お金でのリターンは見込めません。
タイプで変わるクラウドファンディングの見返りと仕組み
投資型と非投資型の2種類に分類されるクラウドファンディングですが、さらに細かく分けることができます。タイプによって見返り(リターン)の内容も変わってきますので、事前にきちんと把握しておく必要があります。
そこでここからは、より細かく分類されるクラウドファンディングのタイプ・種類を、仕組みと合わせて解説します。
貸付投資型(融資型)
投資型に分類される貸付型(融資型)は、資金調達を募る企業や個人に対して、支援者である投資家がプラットフォームを介して貸付をおこなえるタイプのクラウドファンディングです。別名で「ソーシャルレンディング」とも呼ばれているサービスで、支援する投資家側は、資金を貸し付ける見返りに「金利」を受け取ることができます。
投資商品の性質を持っているクラウドファンディングになるため、元本割れのリスクも当然あります。
しかしその反面、一般的な銀行の定期預金よりも「高い利回りで金利を受け取ることができる」ため、新しい資産運用の方法として注目されています。
株式投資型
株式型は、起案者が個人ではなく株式会社となるため、支援者側は支援する見返りとして、未公開株式を得ることができる投資型クラウドファンディングです。将来有望だと感じたベンチャー企業に対して直接支援ができるため、IPOやM&Aが実施された際には大きなリターンが見込めるでしょう。
しかし、取得できる株式は未公開株式になるのでリスクも当然あります。また、リターンが得られるのはIPOやM&Aが実施されたタイミングなので、中長期的な投資として認識しなければなりません。
事業投資型(ファンド型)
株式型の場合は未公開株式を取得するため「企業単位」の投資となりますが、ファンド型の場合は、企業の展開している事業(プロジェクト)に対して投資ができる仕組みの投資型クラウドファンディングです。
なお、リターンは事業の売上や達成具合に応じて分配金が支払われる仕組みになるので、事業失敗のリスクなども考慮しなければなりません。一方で、さまざまな新規事業に挑戦しようとしている企業を応援できる形になるので、事業が大きく成長すれば高い分配金も期待できます。
不動産投資型
不動産型クラウドファンディングは、複数の投資家から集めた資金で不動産運用をおこない、運用で発生した収益を投資家に分配する仕組みの投資型クラウドファンディングです。通常の不動産投資とは違って、少ない費用から始めることができるため敷居も低いです。
似た投資商品のREITも基本的な仕組みは同じですが、比較的ミニマムで始めたい場合、1万円から投資ができる不動産型クラウドファンディングは有効です。現物の不動産投資とは違って、複雑な書類作成や管理なども必要ないため、手間が少なくて済むのも特徴です。
購入型(非投資型)
非投資型の購入型クラウドファンディングは、起案者である個人や企業が提供する商品もしくはサービスを見返りとして、支援する仕組みのクラウドファンディングです。重要なポイントは、投資型のように見返りが「お金」ではなく、「商品もしくはサービス」を対価として受けられるということ。
また、一般の消費者がよく目にするクラウドファンディングは、この購入型がほとんどです。なお購入型には、以下の2種類があります。
- All or Nothing型
- All In型
All or Nothing型は、起案者が設定した目標金額に達成した場合にのみ支援が成立します。一方で、All In型の場合は、目標金額に達していない場合でも支援ができる方式になります。
寄付型のクラウドファンディングに見返りはなし
寄付型クラウドファンディングは、購入型と同様「非投資型」に分類されるクラウドファンディングの一種です。なお、寄付型の場合、起案者がプラットフォームを介して寄付を募る形になるため、基本的に支援した場合の見返り(リターン)はありません。
ただし、金銭や商品などのリターンはないものの、寄付に対するお礼や、活動内容の報告などは公開されることが多いです。また、寄付控除といった税制上の優遇措置を受けられるのも大きなポイントのひとつといえるでしょう。
投資型・非投資型一覧表
投資型は4つ、非投資型は2つのタイプにわかれます。また投資型の見返りは『お金』。非投資型は『商品・サービス』、または『なし』となります。
クラウドファンディング | タイプ | 見返り | |
---|---|---|---|
投資型 | 貸付投資型(融資型) | 株式投資型 | お金 |
事業投資型(ファンド型) | 不動産投資型 | ||
非投資型 | 購入型(非投資型) | 商品・サービス | |
寄付型 | なし(例外あり) |
見返りがあるクラウドファンディングのおすすめプラットフォーム一覧
クラウドファンディングには、投資型と非投資型があるように、どのような見返り(リターン)を求めるかによっても利用するプラットフォームが変わってきます。
そこでここからは、クラウドファンディングのおすすめプラットフォームをタイプ別に紹介します。利用先を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Makuake
Makuake(マクアケ)は、株式会社サイバーエージェントの子会社である、株式会社マクアケによって運営されている購入型クラウドファンディングです。2013年のサービス開始以降、累計で13,000件以上のプロジェクトが実施されており、会員数も130万人を超えた大規模プラットフォームです。
なお、Makuakeでは「応援購入プラットフォーム」を標榜しており、掲載されているプロジェクトの半数以上は地方発となっています。そのため、日本のものづくり産業やサービスを支えたい方にもおすすめです。
CAMPFIRE
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は、会員数260万人以上、累計支援者数が610万人を超える国内最大級の購入型クラウドファンディングのプラットフォームです。累計プロジェクト数は58,000件と圧倒的な実績数で、国内の購入型における利用者の実に61%がCAMPFIREを利用しています。
実施されているプロジェクトもまちづくりや飲食関連はもちろんのこと、ガジェットやアニメなど幅広いジャンルが展開されているため、さまざまな見返り(リターン)を選ぶことができます。
MOTIONGALLERY
MOTIONGALLERY(モーションギャラリー)は、オールジャンルで展開しているMakuakeやCAMPFIREとは違って、クリエイティブなプロジェクトに特化している購入型クラウドファンディングです。
映画やアート、写真に音楽とクリエイティブなカテゴリが多く、さまざまな分野のクリエイターがプロジェクトを実施しています。そのため「才能あるクリエイターを直接支援したい」という方には、おすすめできるプラットフォームといえるでしょう。
FUNDINNO
FUNDINNO(ファンディーノ)は、ベンチャー企業に投資できる株式型クラウドファンディングです。これまでの累計成約数は211件、累計成約額も70億円ほどあり、登録ユーザー数も8万人を超える株式投資型としては日本初となるプラットフォームです。
IPOやバイアウトをした際の見返り(リターン)を見込んだ投資はもちろんのこと、案件のなかには「非営利型株式会社」もあるので、純粋に社会貢献を目的とした投資もできます。
CAMPFIRE Angels(旧GoAngel)
CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤー エンジェルス)は、CAMPFIREのグループ会社である、株式会社CAMPFIRE Startupsが運営している株式投資型クラウドファンディングです。
公開されている案件は、ファイナンスのプロによる厳正な審査を通過した未上場株式になるため、将来有望なスタートアップ企業の成長を見届けるとともに、1口10万円と小口から気軽にエンジェル投資できます。
Crowd Bank
Crowd Bank(クラウドバンク)は、日本クラウド証券株式会社が運営している貸付型(融資型)クラウドファンディングです。累計の応募総額は1,585億円を突破しており、融資元本の回収率も100%と、案件がこれまでにデフォルトしたことがありません。
また、実質平均利回りも6.80%と高い想定利回りが期待できます。なお、少額の1万円から投資できるため、投資家サイドから見たときに安心して利用できるプラットフォームといえるでしょう。
セキュリテ
セキュリテとは、ミュージックセキュリティーズ株式会社が運営しているインパクト投資プラットフォームで、いわゆる「ファンド型」に分類されるクラウドファンディングになります。
自身が応援したい事業者やプロジェクトに対して、1口数万円から投資ができます。企業の成長を出資者自らが応援できる形になるほか、事業がうまくいった場合には利益の一部が分配金という形で還元されます。
なお、出資者には分配金以外にもさまざまな特典が付与されます。この特典は案件や出資する口数によって違いがありますが、例えば酒屋の案件だった場合は「純米酒1.8ℓ」など、いわば株主優待のような特典を受けることができます。
CREAL
CREAL(クリアル)は、クリアル株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。2021年11月現在の最新運用実績では、組成ファンド数が48、累計調達額も115億円を超えています。
また、現状で運用が終了している34のファンドも、すべて元本割れを起こすことなく出資金の償還がされており、想定利回りどおりの配当が実施されている信頼度の高いプラットフォームです。
なお、3.0~8.0%と高い想定利回りの案件が多く公開されているほか、最低投資額は1口1万円と、気軽に始められるのも大きな特徴といえるでしょう。
OwnersBook
OwnersBook(オーナーズブック)は、ロードスターインベストメンツ株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。なお、不動産に特化したクラウドファンディングとしては日本初のプラットフォームとなり、運営母体の親会社は東証マザーズ上場企業なので安心感・信頼感とともに高いです。
一口1万円の少額投資が可能なほか、想定利回りも3.0~7.0%と高い利回りが期待できる案件が多く掲載されています。なお、掲載されている案件は、不動産鑑定士を含むいわゆる不動産のプロが精査することはもちろんのこと、外部評価も経ている二重のチェック体制となっているので、不動産投資に慣れていない初心者の方も安心して利用できます。
クラウドファンディングで支援する場合の注意点
企業の成長過程を見届けたり、現金以外にも見返り(リターン)が見込めるクラウドファンディング。実際に支援や投資をする際には、事前に知っておかなければならないポイントがあります。
そこでここからは、クラウドファンディングを利用する場合の注意点について、具体的に解説します。
リスク事項を確認する
クラウドファンディングを利用する際に、もっとも注意しなければならないポイントは「リスク」の部分です。特に、投資型に分類されるクラウドファンディングの場合、リターンが「お金」になりますが、投資先企業の運営・財務状況によっては以下のリスクも考えられます。
- 倒産リスク
- 元本割れリスク
- 途中解約できない
このように、一見するとさまざまなメリットが多いクラウドファンディングにも、リスクが潜んでいることは理解しておきましょう。なお、リスク事項などは、各プラットフォームにて記載されているので、規約などは事前に確認するようにしてください。
リターン提供時期を理解する
基本的に寄付型のクラウドファンディングを除くと、見返り(リターン)が期待できるクラウドファンディング。しかし、リスクと同様に確認しなければならないポイントが「リターンの提供時期」です。
例えば、投資型に分類される株式型の場合、未公開株に対する投資になるので、見返り(リターン)が得られるのはIPOやM&Aが実施されたタイミングになります。このように、利用するプラットフォームや種類によっても見返りの提供時期が異なってきますので、あらかじめ確認するようにしましょう。
クラウドファンディングの見返りを学ぼう!のまとめ
クラウドファンディングは、大きく分けて投資型・非投資型の2種類に分類されます。タイプによって、得られる見返り(リターン)内容も変わってきますので、仕組みを理解したうえでプラットフォームを決めるようにしてください。
なお、気軽に支援できるクラウドファンディングにも、さまざまなリスクが潜在しています。そのため、実際に支援をする前には、必ずリスク事項やリターン提供時期などを確認してから利用するようにしましょう。
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