「寄付型のクラウドファンディングは一般的な寄付と何が違うの?」
「寄付型クラウドファンディングのやり方はどうすればいいのかな?」
「税金関係についても詳しく知りたい!」
かつては街頭での募金活動が一般的でしたが、近年はインターネットを通じた寄付型クラウドファンディングの利用が増え、寄付がより身近なものになりつつあります。
しかし、寄付型クラウドファンディングについては、その仕組みまで理解している人はまだ少ないのではないでしょうか。
そこで、クラウドファンディングサポートの実績豊富な筆者が、寄付型クラウドファンディングと一般寄付の違いを、それぞれの特徴から分かりやすく解説します。
具体的な内容は以下のとおりです。
- 「寄付型クラウドファンディング」と「一般的な寄付」の違い
- それぞれの仕組みと特徴
- 実行者と支援者双方の具体的な手順
- 税制上の取り扱い
- 寄付型クラウドファンディングの成功事例
本記事を読めば、寄付型クラウドファンディングのメリット・デメリットや、寄付金控除についても理解できます。
寄付を募りたい方や寄付を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
クラウドファンディングに挑戦
記事に迷ったら上から順にお読みください
- クラウドファンディングの意味とは?【保存版】基本用語もわかりやすく解説
- クラウドファンディングの仕組みとは?を簡単に解説!
- 融資とクラウドファンディングの違い!知っておくべき資金調達
- 寄付型クラウドファンディングと寄付の違いとは?それぞれの特徴を分かりやすく解説
- クラウドファンディング市場規模!国内調査
- クラウドファンディングサイトのおすすめは?
- クラウドファンディングサイトをタイプ別に徹底比較!おすすめサイトは?
- クラウドファンディングのメリットとは!【必見】失敗しないコツ7つ
- クラウドファンディングのデメリットを最小限にする方法とは?【徹底解説】
- クラウドファンディングは難しい?意味を理解しないと失敗する理由
- クラウドファンディングの成功例!プロジェクトを達成する極意
- クラウドファンディングのやり方とは?始め方のコツを10の方法で解説
- クラウドファンディングにコンサルタントは必要?選び方7つのポイント
- クラウドファンディング代行は依頼するべき?費用やサポート内容をチェック
- クラウドファンディングをビジネスで活用【注目】成功事例をまじえて解説!
- クラウドファンディングの見返りを学ぼう!タイプ別の仕組みから注意点まで
- クラウドファンディングのリターン(お返し)の相場は?ポイントを解説
- クラウドファンディングのリターンなしとは?【寄付型の実行&支援
- クラウドファンディングで商品を購入する方法【簡単・安全】
- クラウドファンディングの成功率を高める!失敗例から施策まで解説!
- クラウドファンディングページ作成!読みたくなる3つのコツ
- クラウドファンディングが達成しなかったら?【プロが教える】5つのリスクへの備え方
- クラウドファンディングでトラブルを回避するための基礎知識と具体事例
- クラウドファンディングで確定申告は必要?
「寄付型クラウドファンディング」と「一般的な寄付」の違いとは
寄付型クラウドファンディングとはクラウドファンディングの一種で、支援者からの資金を「寄付金」として受け取ります。
「寄付型クラウドファンディング」と「一般的な寄付」の違いを確認してみましょう。
寄付型クラウドファンディング | 一般的な寄付 | |
---|---|---|
お金の集め方 | クラウドファンディングサイト | 直接・振込・郵送など |
寄付の内容 | 金銭のみ | 金銭や物品 |
支援後の対応 | 支援金の使用使途の説明や活動報告をおこなう | なし |
このように、寄付型クラウドファンディングは資金提供に限られますが、一般的な寄付は物品を贈る行為も含まれます。
また、寄付型クラウドファンディングは活動報告によって支援金がどのように活用されているのかを確認できるのが特徴です。
寄付型クラウドファンディングとは?他の種類との違いも解説
ここでは、寄付型クラウドファンディングについて理解を深めるために、以下について解説します。
- クラウドファンディングとは
- 寄付型クラウドファンディングとは
- 寄付型クラウドファンディングの目的
- 寄付型クラウドファンディングのメリット
- 寄付型クラウドファンディングのデメリット
それぞれ詳しくみていきましょう
クラウドファンディングとは
そもそもクラウドファンディングとは、インターネットを使って不特定多数の人から資金を集める仕組みのことをいいます。
クラウドファンディングは、大きく以下の3種類に大別できます。
- 購入型:商品やサービスのリターン(お返し)がある
- 寄付型:リターンなし
- 投資型:金銭的なリターンがある
クラウドファンディングといえば一般的に購入型を指します。クラウドファンディングサイトにはアイデアにあふれたさまざまなプロジェクトが掲載されており、買い物感覚で利用できるのが特徴です。
投資型は資産運用を目的としたクラウドファンディングで、不動産投資型や株式投資型といったいくつかの種類があります。
寄付型クラウドファンディングについては、次節以降で詳しく解説していきます。
なお、クラウドファンディングの意味については、関連記事「クラウドファンディングの意味とは?【保存版】基本用語もわかりやすく解説 」にて詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください!
寄付型クラウドファンディングとは
寄付型クラウドファンディングは支援者からの資金を「寄付金」として受け取り、リターンを提供する必要がないタイプのクラウドファンディングです。
日本では、2011年の東日本大震災をきっかけに広く知られるようになりました。
一般的には、リターンの代わりとしてお礼の手紙や活動報告がありますが、中には現地での見学会を設けているケースもあります。
また、寄付先によっては、寄付をした人に対して税制上の優遇措置が講じられることもあります。
寄付型クラウドファンディングの目的
寄付型クラウドファンディングは社会貢献を目的としたプロジェクトが多く、主に非営利団体が利用しています。
寄付型クラウドファンディングの具体例は以下のとおりです。
- 被災地支援
- 発展途上国への支援
- 過疎地域への医療支援
- 地域観光の促進
- 保護動物の愛護
- 不登校児に学びの機会を提供
- 人権問題への取り組み
このように、寄付型クラウドファンディングは社会問題の解決を目的にしているケースが多い印象です。
寄付型クラウドファンディングのメリット
寄付型クラウドファンディングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。実行者(プロジェクトを実施する側)のメリットは以下のとおりです。
一方、支援者(寄付する側)のメリットは以下のとおりです。
このように、寄付型クラウドファンディングは一般的な寄付のメリットに加えて多くの利点があります。
寄付型クラウドファンディングのデメリット
寄付型クラウドファンディングには、デメリットもあるので確認しておきましょう。実行者(プロジェクトを実施する側)のデメリットは以下のとおりです。
一方、支援者(寄付する側)のデメリットは以下のとおりです。
寄付とは?募金との違いも解説
寄付型クラウドファンディングとの違いを明確にするために、一般的な寄付についても概要を確認しておきましょう。ここでは、以下の項目について解説します。
- 寄付とは
- 募金との違い
- ふるさと納税との違い
それでは順にみていきましょう。
寄付とは
寄付とは「個人や組織が公や事業のために自発的に金銭や品物を贈ること」を意味します。
寄付は「寄附」と表記される場合がありますが、意味は同じだと考えて差支えありません。公的な文書では「寄附」が使用される傾向がありますが、それ以外では一般的に「寄付」が使われています。
募金との違い
寄付とよく似た言葉に「募金」がありますが、両者の違いは以下のとおりです。
- 寄付:お金や品物を贈ること(提供者)
- 募金:お金を募ること(受取者)
このように、寄付と募金は本来の意味からすると使う人の立場が異なります。しかし、近年では寄付することを「募金する」というように、同じ意味として使われることが増えています。
ふるさと納税との違い
ふるさと納税は寄付の一種で、応援したい自治体に寄付ができる制度です。一般的には「返礼品がもらえる制度」「節税対策」などと受け止められていますが、本来の目的は「地域への貢献」です。
クラウドファンディングでは近年、寄付型とは別に「ふるさと納税型クラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング)」の専門サイトが増えています。
従来のふるさと納税と仕組みは同じですが、寄付金の使い道で寄付先を選べる点が特徴的です。
【実行者】寄付型クラウドファンディングのやり方
寄付型クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げるには、どのような方法で取り組めばいいのでしょうか。
ここでは、以下の5つの項目で寄付型クラウドファンディングのやり方を解説します。
- 寄付型クラウドファンディングの流れ
- 寄付型クラウドファンディングサイトの選び方
- プロジェクトページの作り方
- 失敗しない方法
- 難しい場合は専門家に任せる
寄付型クラウドファンディングで寄付を募りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
寄付型クラウドファンディングの流れ5ステップ
寄付型クラウドファンディングにて資金を募る際は、あらかじめ手順を熟知しておくことが大切です。具体的な手順は以下のとおり。
計画的に準備をすれば、想いを的確に伝えられて支援者の共感を集めやすくなるでしょう。なお、寄付型クラウドファンディングは、リターンがない点を除けば、購入型とほぼ同様の手順で進められます。
クラウドファンディングの手順は関連記事「クラウドファンディングのやり方とは?始め方のコツを10の方法で解説」でも詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください!
では、手順をステップごとに解説していきます。
寄付型クラウドファンディングサイトの選び方
寄付型クラウドファンディングサイトを選ぶ際のチェックポイントは以下の3点です。
- 手数料
- サポート内容
- 審査期間や入金までの期間
なお、おすすめのクラウドファンディングサイトについては、関連記事「クラウドファンディングサイトをタイプ別に徹底比較!おすすめサイトは?」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
プロジェクトページの作り方
寄付型クラウドファンディングでより多くの寄付金を集めるには、プロジェクトの内容を適切に伝える必要があります。しかし、数多くあるプロジェクトの中から支援者の注目を集めることは容易ではありません。
そこで、プロジェクトページの制作において、以下の7つのポイントを押さえることが重要になります。
- トップ画像は「実行者または商品の写真」を使用し、プロジェクトのキーワードを入れる。
- 流れを把握しやすいように大見出しと小見出しを使い分ける
- 画像はワンスクロールに1枚程度を意識する
- 画像は写真だけではなく、グラフや表、スライドなども使用する
- 自己紹介は一番最初に団体の紹介をして、最後もしくは活動報告の中でメンバー紹介をおこなう
- 目標金額は段階的に設定する
- リターンの画像やタイトルは、内容がわかりやすいものを設定する
これらのポイントを意識してページを作ると、支援者に効果的にアピールできて寄付につながりやすくなるでしょう。
失敗しない方法
寄付型クラウドファンディングはリターンがないため、プロジェクトの意義を正しく伝えないと寄付金を集めるのが難しくなります。
寄付型クラウドファンディングで失敗しないためのポイントは以下の6つです。
- 寄付金の使途を明確にする
- ストーリー性のある文章で感動を呼ぶ
- 実行団体の実績や信頼性を適切にアピールする
- 支援者とのコミュニケーションを密にする
- 現実的な目標金額を設定する
- さまざまな方法でプロジェクトの存在を拡散する
リターンのない寄付型クラウドファンディングを成功させるには、信頼関係の構築がなにより大切です。支援者の声に耳を傾けて、プロジェクトに対する要望や期待に真摯に応える努力をしましょう。
難しい場合は専門家に任せる
クラウドファンディングを成功させるにはコツと経験が不可欠です。身近に経験者がいない場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。
ちなみに筆者は、累計支援金総額1.4億円、総支援者数1.8万人の実績を持つクラウドファンディングサポートのプロです。
現在「30分の無料ミーティング」を実施していますので、クラウドファンディングを検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください!
なお、クラウドファンディングのコンサルタントについては、関連記事「クラウドファンディングにコンサルタントは必要?選び方7つのポイント 」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
【支援者】寄付型クラウドファンディングで寄付するやり方3ステップ
次に、クラウドファンディングサイトを使って寄付する方法を解説します。やり方は簡単で、以下の3ステップです。
- クラウドファンディングサイトで応援したいプロジェクトを選ぶ
- サイトに未登録の場合は登録する
- 支払手続きをする
【実行者】寄付型クラウドファンディングの税金を4つのパターン別に違いを解説
初めてクラウドファンディングを利用した方が戸惑いやすいのは税金問題です。個人や団体によって課税方法が異なるため、理解しておかないと将来ペナルティを受ける可能性があります。
そこで本記事では、次の4つのパターンに分けて税金の違いを解説します。
パターン | 寄付 | 受取 |
---|---|---|
1 | 個人 | 個人 |
2 | 個人 | 法人 |
3 | 法人 | 個人 |
4 | 法人 | 法人 |
なお、税金に関しては例外事項が多く適用条件も細かく設けられているため、詳細は金融庁のサイトを確認するか税理士にお問い合わせください。
【パターン1】個人が寄付→個人が受け取り
個人が他の個人に対して寄付をした場合、受け取る側が贈与税の対象となる可能性があります。贈与税とは、1年間に受け取った贈与財産の総額が110万円を超えた場合に課される税金のことです。
具体的には、1月1日から12月31日の1年間に受け取った全ての贈与財産の価額を合計し、基礎控除額110万円を差し引いた金額に対して一定の税率を乗じて計算します。
【パターン2】個人が寄付→法人が受け取り
個人が法人に対して寄付をした場合、受け取る側の法人は法人税の対象となります。
寄付金は法人の収益として計上され、法人税の課税対象となります。ただし、消費税の課税対象からは除外されるのでご注意ください。
【パターン3】法人が寄付→個人が受け取り
法人が個人に対して寄付型クラウドファンディングで寄付をした場合、個人は受け取った寄付金額を一時所得として処理します。
一時所得の計算方法は以下のとおり。
- 一時所得=一時所得に該当する総収入金額-必要経費-特別控除額(最大50万円)
- 一時所得の課税金額=一時所得の金額×1/2
この金額を他の所得と合算して総所得金額を求め、税額を計算します。
【パターン4】法人が寄付→法人が受け取り
寄付型クラウドファンディングにおいて、法人が他の法人に対して寄付をおこなった場合、受取側の法人はその寄付金を収益として計上し、法人税の課税対象となります。一方、消費税は課税対象とはなりません。
また、寄付をした法人側は寄付金を損金(必要経費)に算入できるメリットがあります。
【支援者】クラウドファンディングなどで寄付金控除を受けられるケースとは
寄付をすると税制上の優遇措置である「寄付金控除」を受けられる場合があります。ここでは、寄付金控除について以下4つの項目で解説します。
- 寄付金控除とは
- 寄付金控除が受けられるケース
- 寄付金控除の計算方法
- 寄付金控除を受ける方法
控除を受けられれば実質的な寄付コストを抑えることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
寄付金控除とは
寄付金控除とは、社会問題に取り組んでいる特定の公益法人や国などに寄付をした場合、受けられる控除のことをいいます。
基本的には「所得控除」ですが、一部の対象においては「税額控除」を選択することも可能です。
寄付金控除が受けられるケース
寄付金控除が受けられるケースの具体例は以下のとおりです。
- 政党や政治資金団体に寄付した場合
- 認定NPO法人に寄付した場合
- 公益社団法人などに寄付した場合
- 復興指定会社が発行した株式を取得した場合など
上記に寄付する場合でも、寄付の内容によっては控除対象にならないケースがあるので注意しましょう。
寄付金控除の計算方法
寄付金控除の金額は「その年に支出した特定寄付金の額の合計額-2,000円」で求められます。
ただし、特定寄付金の額の合計額は、総所得金額等の40%相当額が上限になります。
寄付金控除を受ける方法
個人が寄付金控除を受けるには、確定申告で控除に関する記載をおこない、必要書類を添付もしくは提示します。正しく申告すると、寄付金額に応じた所得控除を受けられます。
寄付型クラウドファンディングの成功事例をチェック
ここでは、寄付型クラウドファンディングの成功事例を2例紹介します。
- 能登半島地震の緊急支援
- 電動ベッドの導入を支援
それぞれの思いやアイデアが、どのように多くの共感と支援を呼び込んだのか、ぜひご覧ください。
能登半島地震の緊急支援
NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地支援のために100万円を目標にプロジェクトを立ち上げました。
https://readyfor.jp/projects/helpnoto
被災の3日後には「空飛ぶ捜索医療団」を結成して、支援活動を開始しています。プロジェクト開始から約3ヵ月後の時点で、目標金額の4,000%を達成しています。
電動ベッドの導入を支援
青森労災病院では、患者さんに快適な入院生活を送ってもらうために、全床電動ベッド導入にむけて寄付を募りました。
https://readyfor.jp/projects/aomorirousai2024
「患者さんの安心・安楽・快適さを向上するため」と呼びかけた結果、プロジェクト期間の3分の2を超えた時点で当初の目標金額200%以上の支援を獲得しています。
「寄付型クラウドファンディングと寄付の違いとは?」のまとめ
寄付型クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数から資金を集める新しい寄付の形です。一般的な寄付に比べて「広くPRできる」「透明性が高い」「税制優遇が受けられる」などのメリットがあります。
『合同会社あおに』では、豊富なクラウドファンディング支援実績を活かした「30分無料オンラインミーティング」を実施しています。またプロジェクトを実行したい企業様のために、伴走支援もおこなっております。
1人ひとりの思いをさまざまな人々につなげ、社会課題の解決を後押しする寄付型クラウドファンディングを、あなたもぜひ活用してみてください。
なお、寄付型クラウドファンディングについては、関連記事「クラウドファンディングのリターンなしとは?【寄付型の実行&支援】」でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
もう1記事読めそうであれば、こちらの記事がおすすめです。