「売上高の減少が心配。何か手を打たなくては!」
「売上を上げるためには、どのような行動をとればいいのだろう?」
「同業他社の成功事例を知りたい!」
中小企業の経営者や個人事業主にとって、売上を上げることは最重要課題。やみくもに行動しても結果が出にくいため、戦略を立てて取り組まなくてはなりません。
しかし、何から手を付ければいいのかわからず、途方に暮れている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容を解説します。
- 売上を上げるための仕組み
- 売上を上げるための行動戦略
- 行動1:既存顧客を分析する
- 行動2:新規顧客を開拓する
- 行動3:購買頻度を上げる
- 行動4:購買点数を増やす
- 行動5:商品単価を上げる
- 成功事例3選
中小企業の経営者様だけでなく、個人事業主の方にもオススメの内容です。ぜひ本記事を参考にして、自社に合ったやり方を見つけてくださいね。
合同会社あおに 代表 堀川 雄一
企業が抱えるコミュニケーションの問題解決に、ストーリーテリングを軸としたコミュニケーションデザインで伴走支援することを事業としています。クラウドファンディングのご相談は約290件以上。多くの失敗例と成功例を目の当たりにした経験から、ただただ制作をするのではなく、お客さまを知り、会社やプロダクトの真価を引き出し、コミュニケーションの壁を取り払い、”びくびく”した気持ちを”わくわく”に変えています。
売上を上げるために!仕組みを理解して行動につなげる
売上を上げるには、まず仕組みを理解したうえで「どの要素に注力すべきか」を検討します。
ここでは「売上を上げる仕組み」と「5つの要素」について解説していきます。
売上が決まる仕組み
売上を上げるために、まずは「売上を構成する要素」や「各要素の関係」について理解しておきましょう。
売上=顧客数×客単価×購入頻度
このように、売上は「顧客数」「客単価」「購入頻度」の3つの要素から成り立っています。
このうち、顧客数と客単価は次のように分解できます。
顧客数=新規顧客+(既存顧客-流出顧客)
客単価=商品単価×購入点数
顧客数を増やすには「新規顧客を増やす」対策と「既存顧客の流出を減らす」対策が必要です。また、客単価を上げるには「商品単価を上げる」もしくは「購入点数を増やす」しかありません。
そのほか、売上を上げるためには最初の公式に出てきた「購入頻度を上げる」対策も重要です。
売上アップのための5つのポイント
前述した公式から「売上を上げるための対策」は以下の5つです。
- 既存顧客を分析する
- 新規顧客を開拓する
- 購入頻度を上げる
- 購入点数を増やす
- 商品単価を上げる
効率良く売上アップを狙うなら、これら5つについて注力する必要があります。
たとえば購入点数の増加のみに注目して商品単価を下げたり、新規顧客開拓に集中して既存顧客のフォローがおざなりになったりすると売上アップは望めません。
業種や企業形態、現在の状況などによって重点を置くポイントが異なるので総合的に判断しましょう。
行動を起こす前に!売上を上げるための戦略
確実に売上を上げるために、まずは以下について整理しておくことをオススメします。
- 自社のアピールポイントを再確認する
- データを集計する
- 問題点を見つける
- 優先順位を考える
自社のアピールポイントを再確認する
売上を上げるには、自社のアピールポイントを把握したうえで戦略を立てます。やり方としては、まず以下の2点について思いつく限り書き出してみてください。
- 自社の強み
- 顧客に好かれるポイント
「自社の強み」では会社の独自性が、「顧客に好かれるポイント」は顧客からみた関心がわかります。
書き出したアピールポイントについて「競合との比較ではなく、自社ならではのオリジナル性があるかどうか」をチェックしましょう。そのうえで、それぞれ「顧客にどのような価値を提供できるか?」を考えてみてください。
この結果をもとに、販売戦略を立てます。
データを集計する
現状を正しく把握するために、売上に関わるデータを集めて集計しましょう。
主なデータは以下のとおり。
- 顧客数(新規・既存)
- 各顧客の購入頻度
- 各顧客1回あたりの購入点数
- 商品単価
これらについて月次単位や年単位で集計します。
問題点を見つける
データの集計ができたら、どこに問題が潜んでいるのか分析します。問題点を見つけるコツは以下の2つ。
- 理想と現実のギャップが大きい点に注目する
- 「改善できること」と「改善できないこと」を分けて考える
「改善できないこと」とは「今月は雨が多くて売上が伸びなかった」など、自分たちの力ではどうしようもない問題のことです。
最初に「できること」と「できないこと」を分けてしまうと、問題点がクリアになります。
優先順位を考える
問題点が浮き彫りになったら、改善策のアイデアを整理して優先順位を決めましょう。アイデアを整理するには、以下のやり方がオススメです。
- 改善策を思いつくまま、できるだけたくさん書き出す
- 書き出したなかから共通点を見つけ出してグループ分けする
- 各グループの共通点を言語化する
改善策がまとまったら「何に対してどのように取り組むか」を明確にします。その際「具体的な数字を入れる」のがポイント。たとえば「接客のアプローチを10回増やす」「週1回、顧客にお得情報を送信する」といった具合です。
いくつか改善策がでそろったら、優先順位をつけましょう。
ぜひ、改善策の参考にしてみてください。
売上を上げるための行動1:既存顧客を分析する
売上を上げるには、流出顧客数を減らして既存顧客数を維持する必要があります。そのためには既存顧客の分析が欠かせません。
ここでは、既存顧客を深く理解するための対策として以下の3つについて解説します。
- 既存顧客のデータを整理する
- 顧客の意見を調査する
- SNSを活用する
では順にみていきましょう。
既存顧客のデータを整理する
既存顧客の流出を防ぐため、まずはわかっていることを整理しましょう。
- 顧客の属性(年齢・性別・職業・居住地域など)
- 顧客が関心を持っていること
- 自社の何に興味があるのか
- 自社との信頼関係の深さ
これらを整理したうえで、わからない点をアンケートやSNSなどで積極的に情報収集してデータ分析します。
顧客の意見を調査する
アンケート調査は、紙に記入してもらうかWebフォームでおこないます。
調査のコツは以下のとおり。
- 回答に負担を感じさせないよう工夫する
- 目的に合った質問内容を厳選する
- 回答率をアップするには謝礼を準備する
アンケートをおこなうことによって「顧客が、自社や自社商品に何を求めているのか」がわかれば、向かうべき方向が明確になります。
SNSを活用する
SNS発信は集客だけでなく、既存顧客との相互コミュニケーションにも有効です。媒体は、Instagram(インスタグラム)や、X(Twitter)などが一般的。
Instagramは写真や動画が中心で、Xは文字中心の媒体です。両者はユーザー層が異なるので、自社の顧客層に適した媒体を利用しましょう。
SNSを活用するにあたり、大切なポイントは以下の4つ。
- 投稿の目的を見失わない
- 顧客が自社に期待していることを中心に発信する
- 顧客が好感を抱くデザイン・投稿内容を心がける
- デザインや投稿内容に統一感を出す
これらを踏まえて運用ルールを決めておくと印象が良くなり、フォロワー離れを防げます。SNSを通じて顧客と交流を深め、顧客離れを防ぎましょう。
売上を上げるための行動2:新規顧客を開拓する
「顧客数」を増やすには、新規顧客の開拓も欠かせません。
昨今はWebによる対策が主流です。前述したSNS活用も有効な手段ですが、ここではその他の方法を3つご紹介します。
- 自社ホームページの流入を増やす
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- Web広告を実施する
それぞれ詳しく解説していきます。
自社ホームページの流入を増やす
新規顧客の開拓には、ホームページが重要な役割を果たします。
自社ホームページを作成するメリットは以下のとおり。
- イメージアップになる
- コストを抑えた商品(サービス)PRが可能
- 商品(サービス)の魅力を余すところなく伝えられる
- 最新情報に随時更新できる
- 競合との差別化を図れる
- お問い合わせ窓口を設置できる
- 販路拡大に役立つ
自社ホームページを設置しておくと「デジタル版の名刺」としての役割を果たし、信頼を獲得できます。
重要なのは、ホームページをたくさんの人に見てもらうこと。そのためには記事作成による広報活動や、後述するWeb広告をおこなう必要があります。
ホームページを作ったまま放置している方は、これを機会に見直してみましょう。
弊社あおにでは、中小企業様向けにホームページ運用のお手伝いをしております。「自社にノウハウがない」「概要だけ聞いてみたい」という方は、現在「30分無料ミーティング」を実施しておりますので、ぜひお気軽にお申込みください!
Googleビジネスプロフィールに登録する
Googleビジネスプロフィールに登録すると、自社の基本情報をGoogle検索やGoogleマップで表示できます。
Googleビジネスプロフィールは、住所・電話番号・営業時間・画像などを無料で登録でき、管理も自由におこなえるのが魅力。最近は地方でもネット情報をもとに訪問や問い合わせをする方が増えています。
登録さえしておけば新規顧客の増加が期待できるので、とくに店舗を持っている方は必ず登録しておきましょう。
Web広告を実施する
新聞購読者が減りテレビ離れが進んでいる昨今は、広告宣伝もWebが主流になりつつあります。
Web広告とはインターネット上に掲載される広告のこと。掲載場所はWebページ・動画・SNS・メールなど、多岐に渡ります。
Web広告の主なメリットは以下のとおり。
- ターゲットに合わせた配信が可能
- 効果測定ができる
- 短期間で効果が出る
Web広告は、対象者の年齢や性別、興味関心によってターゲットを絞り込んだ配信ができます。また、効果測定が簡単なので改善しやすいのも魅力。
新聞広告やテレビCMと比べると比較的少ない予算から始められるので、小規模経営者でも取り組みやすい宣伝手段です。
今までアプローチできていなかった属性の方にも、自社の魅力を伝えて新規顧客の獲得を目指しましょう。
売上を上げるための行動3:購入頻度を上げる
売上を上げるために、購入頻度を増やす対策も考えておきましょう。
具体的な行動内容は以下のとおり。
- 年間行事に合わせたキャンペーンを開催する
- フロントエンド商品とバックエンド商品の設定
順に解説します。
年間行事に合わせたキャンペーンを開催する
購入回数を増やすきっかけとして、キャンペーンの開催は定番の手法です。
キャンペーンを実施しやすい年間行事は以下のとおり。
- 入学・入社
- 父の日・母の日・敬老の日
- ゴールデンウイーク
- 夏休み・お盆
- ハロウィン
- クリスマス
キャンペーンを実施すると「セール期間中に買っておこう」と考える顧客が増えるほか、イベント自体を忘れていた人に需要喚起を呼び起こせます。
フロントエンド商品とバックエンド商品の設定
フロントエンド商品とバックエンド商品を設定すると、集客や購入頻度の増加に効果的です。それぞれの言葉の意味は以下のとおり。
- フロントエンド商品:集客のための商品
- バックエンド商品:本当に売りたい商品
高級日本料理店の場合なら、フロントエンド商品がランチメニューで、バックエンド商品が懐石のコース料理です。低価格のランチメニューで良さを実感してもらって高級懐石料理の利用につなげる、という仕組み。
本命商品が高価格帯の場合は、お手ごろ価格のフロントエンド商品の設定が可能かどうか考えてみましょう。
売上を上げるための行動4:購入点数を増やす
客単価を上げるには「購入点数を増やす」と「商品単価を上げる」の2つの対策が必要です。
ここでは前者の「購入点数を増やす」方法として、以下の2つについて解説します。
- 商品の品ぞろえを増やす
- 商品を買ったあとの「コト」を伝える
順に解説していきます。
商品の品ぞろえを増やす
商品の品ぞろえを増やすと、次のような効果があります。
- 購入時の選択肢が増えて好みの商品が見つかる
- 合わせ買いが増える
この場合の合わせ買いとは「一緒に購入すると便利な商品」を、目につきやすい場所に配置して購入を促す施策です。
ただし、もともと商品数が少ない店舗の場合は、店の雰囲気に合わない商品を置くとイメージダウンになるかもしれません。店のコンセプトを大切にしつつ、品ぞろえを増やしてみましょう。
商品を買ったあとの「コト」を伝える
商品購入時に、買ったあとの「用途」や「感情」を具体的に提案すると、顧客の「買いたい感情」を刺激できます。
具体例は以下のとおり。
- お世話になっている方への贈り物にいかがですか?
- 〇〇といった悩みがなくなります。
- 疲れて帰宅したときに〇〇があれば、ほっこりと癒されますよ
このように、顧客の感情を動かすような言葉がけがあると、購入点数の増加につながります。
売上を上げるための行動5:商品単価を上げる
客単価を上げるためのもう1つの対策は「商品単価を上げる」こと。単純に値上げをしたのでは売れなくなってしまうため工夫が必要です。
ここでは、商品単価を上げる方法として以下の2つをご紹介します。
- 商品価値を高めて単価を上げる
- 3つの価格帯を用意する
順にみていきましょう。
商品価値を高めて単価を上げる
値上げはマイナスイメージが強いため、上乗せ価格以上の付加価値を提供する必要があります。
付加価値の具体例は以下のとおりです。
- 品質を向上させる
- ワンランク上の新商品を作る
- 返金保証を付ける
- アフターサービスを充実させる
- パッケージを見直す
- 特典を付けて限定商品にする
やむを得ず、単純な値上げをする際の注意点は「値上げに至った経緯を丁寧にアナウンスする」こと。誠意を持って説明し、理解が得られるように努めましょう。
3つの価格帯を用意する
商品に3段階のグレードがある場合、多くの人は真ん中の商品を選択する傾向があります。
商品が1種類しかないと、人は「買うか買わないか」の選択をします。
しかし、3種類の価格帯を提示されると「買うか買わないか」ではなく、無意識のうちに「どれにするか?」を考え始めてしまいます。つまり、選択の余地ができるといつの間にか「買う」が前提になるのです。
グレードの高い商品を2種類追加すると、違和感なく客単価をアップできるでしょう。
売上を上げる戦略的行動!あおにの成功事例3選
ここまで、売上を上げるための行動内容を説明してきました。こちらでは弊社あおにが関わった成功事例を3つご紹介します。
- 株式会社エルグラン様「KABAG」の事例
- 米阪パイル織物株式会社様の事例
- KOMFORTA(コンフォルタ)様の事例<
順に解説していきます。
株式会社エルグラン様「KABAG」の事例
株式会社エルグラン様による「KABAG」は「カバみたいに大きく開くバッグ」が語源。意表を突いた斬新なアイデアが話題になり、多くのメディアで取り上げられている商品です。
しかし、ネットショップサービスBASEでは閲覧数が伸びず、売上は予想を下回る結果に。そこで弊社は、エルグラン様に以下のような提案をしました。
- 自社ホームページにバッグの関連情報を掲載してSEO対策(検索で上位表示させる施策)をおこなう
- SNSでお客様と交流する
- SNSを通じて得た顧客の要望を商品開発に反映させる
同社はこの対策をおこなった結果、ショップページ閲覧数が増えて売上も順調に伸びています。「KABAG」は、自社サイトとSNSで集客し、ショップページに誘導できた好事例だといえるでしょう。
米阪パイル織物株式会社様の事例
米阪パイル織物株式会社様は、和歌山にあるパイル織物会社。新幹線N700系の座席には同社製のパイル織物が使用されています。同社の以前のホームページは使い勝手が悪く、自分たちでは記事の更新もできない状態でした。
そこで弊社あおにがホームページをリニューアルし、自分たちで運用できる仕組みに作り替えました。その後はSNS運用も開始。
その結果、同社のホームページを見つけた企業担当者の目に留まり、年間契約に結びつきました。契約の決め手は「ホームページの見やすさ」と「充実した発信内容」でした。
SNSとホームページで地道に発信を続けた結果、信用が生まれた事例です。
KOMFORTA(コンフォルタ)様の事例
KOMFORTA(コンフォルタ)様は2020年12月、コロナ禍のまっただなかにオープンされた創作イタリアン料理店です。同店のオーナー様より集客についてご相談を受け、以下についてお手伝いしています。
- Googleビジネスプロフィールへの登録
- フロントエンド商品とバックエンド商品の設定
- ホームページ用画像の撮影
フロントエンド商品(集客用商品)にあたるランチやアラカルトによって顧客に価値を体験してもらい、バックエンド商品(本命商品)のディナー利用につなげました。
同店はもともと料理の評価が高かったため、Googleビジネスプロフィールへの登録だけでもかなり売上が伸びています。
「売上を上げるための行動とは」のまとめ
今回は「売上を上げるためのポイント5つ」と「弊社あおにが関わった成功事例3つ」について解説しました。
モノがあふれている昨今、必需品はすでにそろっているので、購入するモノは(消耗品を除くと)ほとんどが贅沢品です。すると、購入の決め手となるのは「好きかどうか」が大部分を占めます。
「商品さえ良ければ売れる」というのは幻想で、売上を上げるには「顧客に好かれること」が何より大切。
顧客に好かれるには「接触頻度を高める」のが効果的です。SNSなどで顧客との接触頻度を高めていると、顧客に関心を持ってもらいやすくなります。SNSやブログ記事による発信で、顧客との距離を縮めて売上アップを目指しましょう!
弊社あおにでは、中小企業様向けに「経営に関すること」や「Webマーケティング」についてご相談を受け付けております。
「経営について聞いてみたいことがある」「Webマーケティングの概要が知りたい」という方は、現在「30分無料ミーティング」を実施しておりますので、ぜひお気軽にお申込みください!
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