「テストマーケティングってどんなことをするのかな?」
「テストマーケティングのメリットやデメリットは何だろう?」
「効果的なやり方や成功事例を知りたい!」
テストマーケティングは、顧客の反応を知り、販売予測の精度を高めるために重要な役割を果たします。
しかし、具体的にどのような方法で取り組めばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
また、メリットやデメリットを把握した上で、自社に合った効果的な手法を知りたいとお考えの方も少なくないはずです。
そこでこの記事では、中小企業のマーケティング、ブランディング、ストーリーのサポートを専門としている私が、以下の内容について解説します。
- テストマーケティングの意味と目的
- テストマーケティングのメリット・デメリット
- オフラインとオンラインにおける効果的な手法
- テストマーケティングの主な調査項目
- テストマーケティングを成功に導くポイント
- テストマーケティングにクラウドファンディングがおすすめな理由
- 成功事例3選
記事を通してテストマーケティングへの理解を深め、自社に合ったやり方を見出すヒントを得ていただければ幸いです。ぜひ参考にしてみてください。
合同会社あおに 代表 堀川 雄一
企業が抱えるコミュニケーションの問題解決に、ストーリーテリングを軸としたコミュニケーションデザインで伴走支援することを事業としています。クラウドファンディングのご相談は約290件以上。多くの失敗例と成功例を目の当たりにした経験から、ただただ制作をするのではなく、お客さまを知り、会社やプロダクトの真価を引き出し、コミュニケーションの壁を取り払い、”びくびく”した気持ちを”わくわく”に変えています。
テストマーケティングとは?意味や目的を理解しよう
テストマーケティングとは、新商品やサービスを本格的にリリースする前に、限定的な範囲で販売し、その反応を調査・分析することをいいます。
テストマーケティングの主な目的は以下の3つです。
- 市場の需要を予測する
- プロモーション効果を測定する
- 競合他社との比較優位性を把握する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目的1:市場の需要を予測する
テストマーケティングをおこなう第一の目的は、顧客がどのくらい商品を買ってくれるのかを予想することです。
限られた地域で試験的に販売して、どの程度の売り上げが見込めるのかを事前に把握できます。この情報は、生産量を決めたり、在庫管理をしたり、販売計画を立てたりするのに役立ちます。
需要予測を的確におこなうことで、機会損失や在庫リスクを最小限に抑えられるでしょう。
目的2:プロモーション効果を測定する
次に注目すべきは、テストマーケティングを通じてプロモーション効果を測定できる点です。
プロモーション効果とは、商品やサービスの販売促進活動によって得られる効果のことです。テストマーケティングでさまざまな広告媒体や販促活動を試験的におこなって、その効果を検証します。
これにより、本格的な販売の際に、最も費用対効果の高いプロモーション施策を選択できます。限られた予算を有効活用し、販売促進につなげていきましょう。
目的3:競合他社との比較優位性を把握する
さらに重要なのが、テストマーケティングによって競合他社との比較優位性を把握できる点です。
自社の商品やサービスが、競合他社のものと比べてどのような強みを持っているのかを明らかにできます。品質面や価格面で優れていることをアピールできれば、競争の激しい市場でも確固たる地位を築けるはずです。
独自性のポイントを明確にし、効果的なアピールに役立てましょう。
テストマーケティングの3つのメリット
テストマーケティングには、大きく分けて3つのメリットがあります。
- ターゲット層や販売方法が明確化できる
- 販売リスクを軽減し生産計画を最適化できる
- 商品やサービスの改善につながる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1:ターゲット層や販売方法が明確化できる
テストマーケティングのメリットとしてまず注目したいのが、ターゲット層や販売方法が明確化できる点です。
限られた範囲で販売することで、どのような特徴を持った人が商品やサービスに興味を持つのか、どの販売経路が最も効果的なのかを理解できます。
この情報は、本格的な販売戦略を立てる上で非常に重要な手がかりとなります。
ターゲット層を絞り込み、適切な販売方法を選択することで、効率的かつ効果的なマーケティングが可能になるでしょう。
メリット2:販売リスクを軽減し生産計画を最適化できる
メリットの2つ目は、テストマーケティングによって販売リスクを軽減し、生産計画を最適化できる点です。
事前に需要を予測することで適切な生産量を決定し、在庫リスクを最小限に抑えられます。また、販売価格や販促施策の効果を検証し、収益性の高い戦略を立てられます。
テストマーケティングで得られた知見を活かすことで、販売開始後のさまざまなリスクを回避し、利益の最大化が期待できるでしょう。
メリット3:商品やサービスの改善につながる
商品やサービスの改善につなげられる点も、テストマーケティングのメリットの1つです。
テストマーケティングで得られたターゲット層の生の声は、商品やサービスをブラッシュアップするための貴重な情報源となります。
改善点を反映させることで、より多くの人に満足してもらえる商品やサービスを提供できるのです。
また、競合他社との比較を通じて、自社の強みと弱みを明らかにできます。差別化のポイントを磨き上げ、商品やサービスの競争力を高めていきましょう。
テストマーケティングの2つのデメリット
テストマーケティングには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、テストマーケティングを実施する際に留意すべき2つのデメリットについて解説します。
- 時間とコストがかかる可能性がある
- 競合他社にアイデアを盗用されるリスクがある
それでは順に見ていきましょう。
デメリット1:時間とコストがかかる可能性がある
テストマーケティングを実施する際には、まず時間とコストがかかる可能性があることを認識しておく必要があります。
テストマーケティングでは、限られた地域や期間で実際に商品やサービスを販売し、その反応を調査します。
そのため、テスト用の商品やサービスを製造したり、販売経路を確保したりするための準備に時間を要するのです。また、調査の実施やデータの分析にも一定の期間が必要となります。
さらに、テストマーケティングには商品やサービスの製造費用、販売スタッフの人件費、広告宣伝費など、さまざまなコストが発生します。テスト規模が大きくなるほど、これらのコストも増大するでしょう。
したがって、テストマーケティングを計画する際は、十分な時間とコストを確保できるかどうかを見極めることが重要になります。
ちなみに、弊社あおには経営のプロとして、数多くの中小企業をサポートしてきた実績があります。
ただ今「オンラインミーティング」を実施しておりますので、クラウドファンディングに興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください!
デメリット2:競合他社にアイデアを盗用されるリスクがある
テストマーケティングのもう一つのデメリットは、競合他社にアイデアを盗用されるリスクがある点です。テストマーケティングでは、新商品やサービスのコンセプトを一部の市場で公開することになります。
そのため、競合他社がテストマーケティングの情報を入手し、自社の商品やサービスに活用してしまう可能性があるのです。
したがって、テストマーケティングを実施する際は競合他社にアイデアを盗まれないための対策が重要です。
具体的には、事前に特許申請や商標登録をおこない、法的に保護されるよう備えておきましょう。そうすることで、競合他社がアイデアを模倣しにくくなります。
また、関係者との守秘義務契約締結により、情報漏洩を防ぐことも大切です。
テストマーケティングの効果的な手法3選【オフラインの場合】
テストマーケティングで成果を出すなら、オフラインの場合、以下3つの手法が効果的です。
- リアル店舗での調査
- モニター調査
- 会場調査
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リアル店舗での調査
リアル店舗での調査は、実際の店舗で商品を販売してお客さまの反応を調べる手法です。
テストマーケティングは限定的な地域で行われることが多く、中でも静岡県で実施されるケースが目立ちます。この背景には、静岡県が消費者の嗜好を探るのに適した土地柄だからだと言われています。
リアル店舗調査のメリットは以下のとおりです。
- 実際の購買行動を観察できる
- 店舗スタッフから生の声が聞ける
- 商品の陳列方法などを試せる
ただし、店舗の立地や規模によって結果が変わることもあるため、複数の店舗で実施するのがおすすめです。
さらに、地域性による影響も考慮に入れ、他のエリアでも調査をおこなうと、より信頼性の高いデータが得られるでしょう。
モニター調査
モニター調査は、商品やサービスを実際に使ってもらい、アンケートなどでフィードバックを得る手法です。モニター調査の利点は以下のとおりです。
- ターゲットを絞った調査ができる
- 改善点のヒントが得られやすい
- 一定期間の使用で効果を実感できるか確認が可能
一方で、モニター調査にはコストがかかる点に注意が必要です。参加者への報酬や商品の発送料などの経費を考慮し、予算内で効果的な調査をおこないましょう。
会場調査
オフラインのテストマーケティング手法、最後は「会場調査」です。イベント会場などで、来場者に商品を試してもらったり、アンケートに答えてもらったりする方法です。
会場調査の強みは以下のとおりです。
- 短期間で多くのデータが集まる
- 商品への関心度の高い人の意見が聞ける
- 他社製品との比較がしやすい
ただし、会場調査の場合、会場の手配や商品の配送、スタッフの確保などにコストがかかる点には留意してください。
また、商品に関心のある人を中心に調査するため、市場全体の反応とは異なる可能性がある点には注意が必要でしょう。
以上、オフラインでのテストマーケティング手法3選を紹介しました。対象や目的に合わせて、適切な手法を選んでください。
テストマーケティングの効果的な手法3選【オンラインの場合】
オンラインでのテストマーケティングでは、次の3つの手法がとくに効果的です。
- Webモニターによる調査
- SNSを活用した調査
- 購入型クラウドファンディングで調査
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
Webモニターによる調査
Webモニターを活用した調査は、オンラインでのテストマーケティングでよく用いられる手法の1つです。インターネット上でモニターを募集し、商品やサービスについてのアンケートを実施します。
Webモニター調査のメリットは以下のとおりです。
- 全国から幅広い属性のモニターが集まる
- コストを抑えて大規模な調査ができる
- 回答データがすぐに集計できる
ただし、参加者の本音を引き出すには、アンケートの設計を工夫する必要があります。選択式の質問だけでなく自由記述欄を設けるなど、できるだけ具体的な意見が集まるよう働きかけましょう。
また、インターネットにあまりなじみのない層、とくにシニア世代の声を拾うのは容易ではありません。Webモニター調査に加えて別の手法も取り入れると、多様な属性からの意見を集められます。
SNSを活用した調査
SNSを使った調査も、オンラインテストマーケティングの有力な選択肢です。
商品やサービスに関連したハッシュタグを設定し、ユーザーの反応を調べるのが一般的なやり方です。SNS調査の強みは以下のとおり。
- リアルな評判や口コミが収集できる
- 拡散力があるので多くの意見が集まる
- ユーザーの属性や関心領域がわかる
一方で、ネガティブな書き込みへの対応を考えておく必要もあります。炎上などのリスクに備え、運用ルールを事前に決めておくことが大切です。
購入型クラウドファンディングで調査
近年注目を集めているのが、購入型クラウドファンディングを活用した調査です。購入型クラウドファンディングとは、商品やサービスの開発資金を支援者から調達する仕組みのことをいいます。
クラウドファンディングは資金調達が主な目的ですが、テストマーケティングやプロモーションとしての活用も副産物として期待でき、実際によく利用されています。
この仕組みを使って、商品を購入してもらい、使用した感想をフィードバックしてもらうのがクラウドファンディングの調査手法です。
クラウドファンディングの利点は次のとおり。
- 買う意思を持った人からの意見が得られる
- アイデアに共感してくれるファンが見つかる
- 資金調達と市場調査を同時に行える
ただ、企画の魅力を十分に伝えられないと、目標金額に届かない恐れもあります。プロジェクトの魅力を効果的に伝え、共感を得られるようなページ作りを心掛けるのが成功のカギとなります。
オンラインでのテストマーケティングは、ツールの進化に伴って今後ますます重要になってくるでしょう。新しい手法にもアンテナを張り、柔軟に取り入れていくことが大切です。
テストマーケティングの主な調査項目6つ
テストマーケティングをおこなう際は、次の6つの項目を中心に調査します。
- 商品やサービスの評価
- ターゲット層の反応
- 価格の妥当性
- パッケージやプロモーションの効果
- 販売チャネルの妥当性
- 競合商品との比較
1つずつ解説していきます。
商品やサービスの評価
テストマーケティングの調査項目として欠かせないのが、商品やサービスに対する評価です。
ターゲット層に実際に使用してもらい、使い勝手や品質、デザインなどの評価をお願いします。良い点や改善点を把握することで、より魅力的な商品やサービスに仕上げられます。
たとえば、化粧品のテストマーケティングでは、肌への馴染みやすさ、使用感、パッケージの見た目などを評価項目に設定するとよいでしょう。
ターゲット層の反応
テストマーケティングの調査項目として、各ターゲット層の反応も重要です。
商品やサービスに興味を示すのはどのような属性の人か、購入意欲はどの程度あるかなどを調べます。ターゲット層の興味関心事や悩みを理解することで、マーケティング施策に活かせます。
アンケートやインタビューを通して、年齢層、性別、職業、趣味嗜好などの属性情報と、商品やサービスへの印象や要望をヒアリングするとよいでしょう。
価格の妥当性
テストマーケティングの調査項目、3つ目は価格設定の妥当性を確認することです。
安すぎると品質への不安を招き、高すぎると購入をためらわれてしまうので、最適な価格帯を見極めることが大切です。
適正価格を知る代表的な調査方法を3つ紹介します。
- CVM分析:いくつかの価格を示して、購入したいか尋ねる
- PSM分析:安い・高いと感じる価格を自由に答えてもらう
- コンジョイント分析:特徴(価格、機能、デザインなど)を組み合わせ、好みを分析して価格を推定する
そのほか、異なる価格帯で販売して売り上げの変化を比較する方法もあります。
パッケージやプロモーションの効果
パッケージデザインやプロモーション施策の効果検証も、重要な調査項目です。
商品パッケージやWebサイト、広告などの訴求力を評価します。ターゲット層の目を引き、購買行動を促せるかどうかがポイントです。
たとえば、店頭調査でパッケージの手に取られやすさを確認したり、Webではクリック率や閲覧時間を分析したりします。
いろいろ試してみて、より効果の高い施策を見つけ出しましょう。
販売チャネルの妥当性
テストマーケティングの調査項目として、販売チャネルの妥当性も忘れてはなりません。実店舗、ECサイト、電話、訪問販売など、どの販売経路が適しているかを検証します。
ターゲット層の購買行動や商品特性に合わせて、最適な販売チャネルを選定することが重要です。
店頭でのテスト販売や、異なる販売チャネルでの売上比較によって、効果的な販売方法を模索するとよいでしょう。
競合商品との比較
テストマーケティングの調査項目、最後は競合商品との比較評価です。自社の商品やサービスが、競合のものと比べてどのような優位性があるのかを探ります。
差別化ポイントを明確にすることで、効果的なマーケティング戦術を構築できます。
自社の強みを把握して、商品開発やプロモーション設計に役立てましょう。
テストマーケティングを成功に導く3つのポイント
テストマーケティングを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、とくに押さえておきたい以下3つのポイントを解説します。
- 商品やサービスを欲しがっている人を知る
- 「欲しがっている人」と「商品やサービス」の価値関係を見出す
- 「価値関係を最大化する施策」と「フィードバックからの改善」
詳しく見ていきましょう。
ポイント1:商品やサービスを欲しがっている人を知る
テストマーケティングを成功させるには、まず「商品やサービスをすでに欲しがっている人」を特定することが重要です。
「売れる方法」から考え始めると、顧客視点が抜け落ちてしまう恐れがあるためです。また「どんな人に売れるのか」ではなく「すでに欲しがっている人」に焦点を当てるのがポイントになります。
「どんな人に売れるのか」という考え方は、商品やサービスを起点とするため、顧客視点がおろそかになるからです。顧客を起点として考えることで、テストマーケティングの成功確率が高まります。
まずは「商品やサービスをすでに欲しがっている人」を明確にしてから、テストマーケティングをおこないましょう。
ポイント2:「欲しがっている人」と「商品やサービス」の価値関係を見出す
「商品やサービスをすでに欲しがっている人」を特定したら、次のステップでは「欲しがっている人」と「商品やサービス」の価値関係を見つけ出します。
マーケティングの本質は「お客さまとの関係を構築し、お客さまが喜ぶプロセス」ともいえます。お客さまが商品やサービスに価値を感じれば自然と喜び、売り上げにもつながるからです。
お客さまが商品やサービスに価値を感じれば、喜んでリピート購入したり、口コミで紹介したりしてくれるため、結果として売り上げアップが期待できるからです。
そのため、お客さまが商品やサービスに「どのような価値を感じるか(価値関係)」を重視する必要があります。
たとえば、「未体験ののどごし」を売りにしたビールの場合、以下のような人々がその商品に価値を感じる可能性があります。
- ビール好きな人
- ビール好きの家族や友人を持つ人
- ビールを提供する飲食店
- ビールを販売する小売店
このように「お客さまと商品やサービスの価値関係」には複数の組み合わせが存在します。テストマーケティングは、この組み合わせを見つけ出すための手法ともいえるでしょう。
ポイント3:「価値関係を最大化する施策」と「フィードバックからの改善」
「お客さまと商品やサービスの価値関係」を複数見出せたら、次は「価値関係を最大化する施策」に取り組みます。
「価値関係の最大化」とは、商品やサービスに価値を感じてくれるお客さまの規模を拡大させる施策のことをいいます。
具体的には次のような施策が考えられます。
- お客さま視点でのキャッチコピーを作成する
- 商品やサービスの新しい価値を発見する
- 新たな客層をターゲットにした商品やサービスを開発する
このような施策によって「価値関係を最大化」できるかどうかを判断するにはさまざまな手法があります。
テストマーケティングも有効な手法の1つで、どの施策が最も投資効率が高いかを見極め、そこに経営資源を集中します。
さらに、テストマーケティングで得たお客さまの反応や評価といったフィードバック情報から、商品やサービスをブラッシュアップしていくことも重要です。
お客さまの声に真摯に耳を傾け、問題点を抽出したり、改善案を練ったりすることで、お客さま満足度の向上や価値関係のさらなる最大化につなげていけるでしょう。
テストマーケティングにクラウドファンディングをおすすめする3つの理由
近年、テストマーケティングの手法として注目を集めているのがクラウドファンディングです。
ここでは、テストマーケティングにクラウドファンディングをおすすめする理由を3つ紹介します。
- 低コストで実施できる
- 商品やサービスの認知度を高められる
- 実際の購買行動に基づくデータが得られる
順に見ていきましょう。
低コストで実施できる
クラウドファンディングを活用すれば、低コストでテストマーケティングを実施できます。
従来のテストマーケティングは、調査会社への依頼や会場設営、広告宣伝などに多額の費用がかかりますが、クラウドファンディングならプラットフォーム利用料のみでプロジェクトを開始できます。
成功報酬型の場合なら、目標金額達成時にのみ手数料が発生するので、初期費用も最低限に抑えられるでしょう。
また、プロジェクトページやSNSを通じて、商品・サービスに関心を持つターゲット顧客に直接アプローチできるため、広告宣伝費を抑えつつ、的確な顧客層にリーチできます。
さらに、クラウドファンディングでは、試作品や少量生産品でのプロジェクトも可能です。小ロット生産により、在庫リスクを抑えながら、顧客の反応やニーズを検証できるのは大きなメリットだといえるでしょう。
このように、クラウドファンディングを活用すれば少ない予算で効果的なテストマーケティングを実施できます。
商品やサービスの認知度を高められる
クラウドファンディングは、商品やサービスの認知度を高めることも可能で、以下のような効果が期待できます。
- プロジェクトページを通じて、商品やサービスの魅力を伝えられる
- SNSでのシェアによって、より多くの人に情報が拡散される
- メディアに取り上げられる可能性がある
とくにプロジェクトページでは、動画や画像、文章を駆使して、コンセプトや特徴を詳しく説明できるため、支援者の共感を得やすくなります。
まだ世に出ていない商品やサービスでも、クラウドファンディングを活用すれば、一定の認知を獲得できるでしょう。
実際の購買行動に基づくデータが得られる
実際の購買行動に基づくデータを得られるのも、クラウドファンディングの大きなメリットです。
たとえばWebモニター調査の場合、アンケートに答えるだけで報酬が得られるため、商品やサービスにあまり興味がない人が適当に回答してしまう可能性があります。
一方、クラウドファンディングの支援者は、自ら進んでプロジェクトに資金を提供している人たちなので、高い関心があるのは間違いないでしょう。
支援者からは役に立つアイデアやアドバイスが得られやすく、商品やサービスの改善が期待できます。
また、SNS調査では、アイデアに対する評価や意見は収集できるものの、実際に市場で受け入れられるかどうかを確認するのは難しいでしょう。
しかし、クラウドファンディングなら支援者が実際にお金を払って支援するため、アイデアの実現可能性を測れます。具体的には、目標金額に到達するかどうかで市場での需要を判断します。
クラウドファンディングを活用すると、実際の購買行動に基づく確かなデータが得られる点が他の手法との大きな違いです。
クラウドファンディングを使ったテストマーケティングの成功事例3選
成功事例を知ることで、より効果的なテストマーケティングを実施できます。
ここでは、テストマーケティングによってヒット商品を生み出した3つの事例を紹介します。
- 極薄革製のカードホルダー「PLUCA 12」の事例
- 上質な天然素材を使用した馬毛ブラシの事例
- 伊勢神宮の御山杉を使った御朱印帳の事例
極薄革製カードホルダーPLUCA 12の成功事例
極薄革製カードホルダー「PLUCA 12」は、機能性とスタイリッシュなデザインを兼ね備えたアイデア商品です。財布からカードを取り出すのに手間取る女性スタッフの姿からヒントを得て開発されました。
「もしかすると同じように困っている人がいるのでは?」とクラウドファンディングを実施したところ、たくさんの支援が集まりました。
当初は女性向けと想定していましたが、ふたを開けてみれば男性からの支持も根強く、性別を問わずニーズがあることが明らかに。
プロジェクト終了後は、新聞などのメディアに取り上げられて話題になり、長く愛用される商品へと成長しています。
上質な天然素材を使用した馬毛ブラシの成功事例
大正時代に創業した馬毛ブラシのメーカーが、自社ブランド商品の開発に乗り出しました。服を大切にする上で欠かせないブラッシングですが、どうしても「面倒くさい」や「わずらわしさ」が付きまといます。
使いやすさを追求して改良を重ね、やぼったいイメージを払拭すべくインテリアとしても「絵になる」ブラシを目指しました。
こうした生産者の想いが、一般の人にどれだけ共感されるかを確かめるべく、クラウドファンディングを活用したテストマーケティングを実施したところ……
結果、予想をはるかに超える反響があり、注文が殺到して生産が追いつかないほどの大反響となりました。
伊勢神宮の御山杉を使った御朱印帳の成功事例
最後は、過去におこなったクラウドファンディングで、リクエストが多かったものを商品化して成功した事例です。一般的な御朱印帳より3倍以上の価格でも、「使いたい」と思わせる魅力的な商品に仕上がりました。
この事例から学べるテストマーケティングのポイントは以下のとおりです。
- 過去の類似プロジェクトでの顧客の反応を参考にする
- リクエストが多かった商品を優先的に開発する
- 価格は高めでも、ニーズが高い商品なら売れる
テストマーケティングを繰り返して顧客のニーズを最大限に反映させた商品を生み出せば、価格が高くても売れる可能性が高くなります。
御山杉御朱印帳の事例は、そのことを如実に示した好例といえるでしょう。
「テストマーケティングとは?【初心者必見】効果的なやり方や成功事例も解説」のまとめ
テストマーケティングとは、新商品やサービスを本格的にリリースする前に、限定的な範囲で販売し、その反応を調査・分析することをいいます。
テストマーケティングの手法はさまざまな種類がありますが、とくにおすすめなのが購入型クラウドファンディングです。
購入型クラウドファンディングは「低コストで実施できる」「認知度を高められる」「実際の購買行動に基づくデータが得られる」などのメリットがあるからです。
弊社あおには、クラウドファンディングサポートのプロとして、累計支援金総額1.4億円、総支援者数1.8万人の実績があります。
現在、中小企業の経営者様を対象に「オンラインミーティング」を実施しておりますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください!
『合同会社あおに』では、お客さまと事業者のコミュニケーションをサポートしています。より深く知りたい方へオンラインミーティングでご相談ください。
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