皆さんは、このような悩みを抱えたことはありませんか?
「素晴らしい製品やサービスがあるのに、なぜか相手に伝わらない」
「熱意や想いはあるのに、選んでもらえない」
このギャップの正体は何でしょう?
おそらく、それは企業とお客さまの間に存在する
「言語の壁」ではないかと思います。
技術的な特徴や機能を伝えることに注力するあまり、
相手の心に響く「物語」が欠けているのです。
数字やスペックだけでは心を動かせません。
想いや歴史、未来への展望を「物語」として紡ぎ出すことで、
はじめて相手の心に深く響くメッセージが生まれるのです。
そこで今日は、私が取り組んでいる
「ストーリープランニング」の考えをざっくりと。
これは、組織の大切な想いを、
たった一人の相手に気づかれ、忘れられず、
そして最後には好きになってもらうまでの道のりを丁寧に計画することです。
このプロセスは一方通行の情報発信ではありません。
組織や製品の本質を探求し、その価値を再発見する旅でもあるのです。
ストーリープランニングの基盤となるのは
「人は想像したことしか実現できない」という私の考え方です。
この原則のもと、私は4つの思考力を大切にしています。
それが問題提起力、想像力、実現力、そして対話力です。
では具体的に、どのようにストーリーを構築するのでしょうか?
私は「整える」と「紡ぐ」という2つのアプローチを使い分けています。
「整える」とは、バラバラな情報から大切な要素を見つけ、
組織の魅力を分かりやすく整理すること。
つまり「誰に、何を伝えるか」をはっきりさせる作業です。
情報の海から本当に伝えるべきことを選び出し、構造化するのです。
一方の「紡ぐ」は、相手の心に響く文脈を組み立て、
記憶に残る表現を創り出すこと。ただ整理するだけでなく、
相手の立場に寄り添いながら、共感を生む物語へと発展させていきます。
なぜこのようなアプローチが効果的なのだろう?
情報があふれる現代社会では、
単なる情報発信だけでは相手の記憶に残りません。
心に届く「物語」こそが必要なのです。
適切に構築されたストーリーには、5つの重要な価値があります。
それが独自性、一貫性、記憶性、共感性、そして行動喚起です。
効果的なストーリーは、
まるで恋愛のように相手との関係を少しずつ育んでいきます。
このプロセスには3つの重要な瞬間があります。
まず「気づきの瞬間」。
これは恋愛でいえば一目惚れのような出会いです。
最初の印象がその後の関係性を大きく左右します。
次に「共感の瞬間」。
お互いの心が通い合い、価値観や想いに気づく時間です。
この段階で信頼関係の芽生えが生まれます。
そして最後に「期待の瞬間」。
ともに未来を想い描き、成長を期待し合うパートナーシップが確立されます。
このように、一つひとつの出会いを大切にしながら関係を育んでいく。
私が目指すストーリーづくりは、実は恋愛と同じなのです。
そして新しいことを始める際、
多くの方が「失敗したらどうしよう」
「本当にうまくいくのか」という不安を感じるものです。
この「びくびく」した気持ちは自然なものですし、
むしろ新たな一歩を踏み出すための大切な出発点だと考えています。
私の経験では、完璧を求めるよりも、
まずは行動につながる「60点の成果」を積み重ねることが大切です。
小さな成功体験を積み重ねていくことで、
不安な「びくびく」は期待の「わくわく」へと変わっていくのです。
企業や組織には、必ず伝えるべき素晴らしい「物語」が眠っています。
それを見つけ出し、整理し、相手の心に響く形で紡ぎだすこと。
それこそがストーリープランニングの本質です。
「伝えたい」を「伝わる」に変えるためには、
相手の立場に立って考え、
共感を生む物語を創ることが不可欠です。
対話と探求を重ねながら信頼を築くプロセスと考えています。
あなたの組織にも、
きっと素晴らしい物語が眠っているはずです。
その物語を見つけ、紡ぎ、世界に届けることで、
新たな可能性が広がるのではないでしょうか。